決まっていた選択肢「ねぇやめて。お皿落としちゃう。」
ドの訴えにもロは耳を貸さない。
「こんなところでこういうのは嫌だってば…!」
エプロンの下。そのさらに下の下を直に弄られ、洗いかけの皿を落とさまいと必死に耐えるが手に力が入らない。
ロを大切にしたいからベッド以外では情事に耽らないと決めているドだが、ロはそんな事お構いなしだった。
「上品ぶってねぇお前が見たい。」
後ろから抱きすくめられそんな事を耳元で囁かれれば嫌でも腰に響く。
執拗に絡む熱い指。
耳の裏を窪みに沿って這う温かい舌。
「も、駄目…っ!…今イッたら半日は出来ないからね!?」
叫ぶように抗議すると、「そうか」と指が離れる。
ほっと息をついたが、ロの腕はドの腰をがっちりとホールドし、ロと密着している。
離してくれそうにはないな、と溜息をつきながら、洗いかけの皿についた泡を洗い流し、水切りカゴに入れる。
「もういいな?」
人よりは長い耳をやわやわと指で弄び、牙のない歯でカリカリと甘噛みする。
吹かかる熱い吐息にゾワゾワと全身に痺れが走る。
「んもぅ!退治人君、いい加減に……!」
文句の一つでも言ってやろうと身を捩りながら開いた口が塞がれ、ロの丸い舌がドの牙にガリ、と当たる。
途端に口の中に広がる血の味にドはこくりと喉を鳴らす。
ゆっくりと離れた唇に
「なぁ…愛してるぜ?」
などと言われてしまえば、
「〜〜〜っ!!」
愛しすぎる恋人の言うなりになるしか選択肢はなくて。
「…今日だけだからね!」
とひとたぴ事に及んでしまえば非日常的な行為に不覚にも興奮を覚えてしまい、ベッド以外でとの恋人のお強請りに都度応えてしまうド。