お前のせい(彼らは付き合う前)
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夜が嫌いだ。
黒い空は昼の明るさを覆い隠して俺らに見えないようにしてくる。俺はカオスな空間がすごく大好きだ。でも黒い空は神隠しをしたかのように俺の周りからカオスな空間を連れ去っていく。
空間だけじゃない。友人も。家族も。
全て連れ去っていく。
「暗くなっちゃうとママに怒られるから、また明日ね」
「もうこんな時間!?やばい!!急いで帰らなきゃ!じゃあな!鏡!」
「おやすみ、鏡。ままは忙しいから、先に寝ててね」
奪われた後は孤独感に襲われる。
夕焼けまでも飲み込んで、真っ暗な空間を1人歩く。先程まであった興奮の熱も、暗い空によって冷やされた風に冷まされる。
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