赤い星夜、空から差し込む月明かりと多くの星に囲まれたベランダで星を見る。
「なあ、なんであの星だけ赤いんだ?」
「あぁ、あれはもうすぐ死んじゃうから赤いんだ。」
「ふうん?宇宙を旅してきたエイリアン王子様はなんでもしってんだな」
「あはは、行ったことがあるからね」
「あの星に?」
「うん、昔ね」
「へぇ」
「…死んだらどうなるんだ?」
「うーん、あれくらいの大きさなら中性子星になるかな。」
「中性子星?」
「ブラックホールになりきらないんだ。」
「……ふうん?」
「星って不思議だよね」
「……なんでそんなしってんだよ」
「…なんでだろうね?」
「ほかのどの星に行ったことがあるんだ?」
「あぁ、えーと…あの星かなぁ。あとあれも?」
「…全部赤いじゃねぇかよ」
「はは、あの星たちはもうすぐ死んじゃうのかもね」
「ふうん。旅してきた割には3つしかないのかよ」
「あぁー…えっと、」
「?」
「もう無いかな、その星たちは。」
そう言ってレンは薄暗い中、少し困った顔で俺に微笑む。
あぁ、こいつは凶悪なエイリアンだった。
ほわんと光る角に微笑む口元から見える鋭い牙。
誰もを虜にしてしまう美しすぎるその見た目からは想像がつかない。
俺もいつか、こいつに喰われるのかな。
この星もいつか、赤く染って、死んじゃうのかな。
そんな遠くない未来にありそうな出来事を想像しながら月明かりに照らされる。