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発明に没頭するうち、いつの間にか眠ってしまっていたようだ。自分で言うのもなんだが、過集中にも困りものである。ある種のトランス状態と呼んでも差し支えないこれに至れば生理的欲求──空腹、疲労、苦痛、それらの正常な伝達が麻痺してしまい、次に目が覚めたときは硬い床の上なんてことも儘ある。そして、そういう場合は大抵起立すら容易に叶わない。腹の虫がうるさく騒ぎ立てるだけならばいざ知らず、凝り固まった手足が鉛のように重くて言うことを聞かなかったり、脳が働かず天井のシミを胡乱に眺めることしかできなかったりと、とにかく酷い有様だ。それでいて肝心な研究の進捗は遅々としている。
「やれやれ、また私は気を失っていたのか。ダイアー女史に知られれば今度こそ大目玉をくらう羽目になるな…。いいや、その前にアンドルーに怒られるか」
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