私のカルデアの話冬木でシェヘラザードの召喚に成功したぐだとマシュは、喧嘩したり仲直りしたりしながら3章まで攻略。
暇潰しにクトゥルフ神話など読んでもらいながら(※まさか実装されるとは全く考えていませんでした、ただ最高の語り手に最高の創作ホラーを読んでほしかったのです)柳生やアンデルセンや楽しい仲間たちも増えて和気藹々と世界を救うも束の間、
4章の難易度に敗れ、絶対君を死なせないと約束したシェヘラザードがジャックの凶刃により瞬殺。
パニックになったぐだは令呪を使い座に還りかけた彼女を無理矢理引き戻した。
サーヴァントと人間の区別を付けていなかったのが彼/彼女のアキレス腱だった。
その後令呪が足りずにソロモン王に殺されたぐだ、ああ…私が呼ばれたのはここで…とシェヘラザードはアンデルセンと組み独断で宝具を展開「もしもマスターが生きていたら?」の物語を、世界記憶、アカシックレコードを綴り語ることにした。
ハンス・クリスチャン・アンデルセン、実在した童話作家とシェヘラザード、架空の語り手による上位合体宝具、裏技中の裏技。半分幻想に足突っ込んでないとできない、現実完全否定の世界捏造宝具。現実ではなくIFの物語としての状況再構築、物語がカサブタのように傷を癒し、並行世界にある生存√へと強制接続する。
その代償として、この二人は物語の外枠に存在する上位存在となった。創造主、デウス・エクス・マキナに近いものになり、自分達が作った世界が崩壊する以外では…例えマスターが死んでもその物語を閉じる役割を果たすまで…面白い物語として「おしまい」を告げるまでは永遠の虚無の中ででも存在しなければいけないというある意味生きるより死ぬよりも儚く恐ろしい役を担うことになった。
「死にたくない」という彼女の願いは彼女自身の決断によって随分捻れた方法ではあるがこの瞬間に叶うことになる。シェヘラザードは人間型のサーヴァントではなくなったので死による逃亡は選べない。そして存在する次元という意味でソロモンより格が上がることにはなったがこれはマスターの物語であり、人理修復はマスターが成さなければいけない大義なので名札が変わっただけで状況は何も変わらない。
一方、ソロモンはマシュとシェヘラザードに興味を持った。作り物の命が頑張っている。終わらせた筈の世界が元に戻っている。王、男、暴君、シェヘラザードとしてもシャフリヤールに似ている彼を放ってはおけないと危険視した。
結果として4章ソロモン戦以降はありえない世界が癒着した歪で不可逆なものになった。
帰還後、当然大問題となり全員で頭を抱える。シェヘラザードが物語を終わりとすればぐだは死に人理どころか世界そのものが根こそぎ消滅する。
ぐだはぐだの正義に従った、結果死亡した。これは人の歴史の中で何度でも見た光景だった。
結局のところ、誰もこの問いに答えは出せなかった。目の前でぐだが生きているのが嬉しかった。
しばらく過ごせばこの世界の強度が安定し、IFから現実に変わるだろうこともわかった。
しかしバチは当たるだろう、物語であるなら相応の報いはある。Endが存在する。
全員に予感はあった、いつか終わるだろうと根拠は無いなりに妙な確信はあった。
もしいつか、ちゃんとした世界から誰かが正しに来たら…私たちのことを覚えていてくれるように物語を記録しておかないか、誰かが言った。
シェヘラザードとアンデルセンは今までの旅の手記を清書し、自分たちが見た人類史を記録することにした。この手記はアカシックレコードの触媒となる。
妖精国でオベロンと出会ったとき、彼には虚の中で真実を話した。いつかそのときはこの世界の扉を閉めてくれと、お礼に世界についての巻物…アカシックレコードの全文をあげましょうと。
馬鹿な、と彼は怒った。返答は、まだ聞けていない。(6.5章へと続く