バレンタインの以路今夜の以路は、犬たちが寝てる中を路がそっと抜け出して以蔵の部屋に訪れてる
昼間だとお互い忙しかったり、誰かに見られるのも恥ずかしかったから、結局一番恥ずかしいとこで逢い引きしてしまってる
「お誕生日おめでとうございます以蔵様、それとその……はっぴぃ、ばれんたいん……など……///」
ちゃぶ台を挟んで双方正座、路にしては珍しくもにょりながらもしっかりめの手作りチョコが出てくる、箱も中身もお店のやつみたいなのが
以蔵は「おん……」しか言えない、路が健気で可愛くて言葉が出てこない
「二つ入っちょるき、おまんも食え」がやっと捻り出せた言葉で、二人で黙ってチョコレートを食べる
「お茶もありますので……」
「ん……」
小さく取り付けられた窓の外は雲ばかりで、星が見えるとかのロマンチックも無い、だから見る場所が無くてチラッとお互いを見て目が合って、うふふと笑う
なんだか変で幸せな時間