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    氷無💧

    @icenope121

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    氷無💧

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    遅れてごめんね炎誕。
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    🦅が🔥の特注巨大タペストリー作る話
    大戦後はぴじゃむ炎ホ同棲軸

    🔥誕生日おめでとう🎉「ついに届きました!」
     徹夜続きでくたびれたスーツを着たまま、ホークスは揚々と横に長い段ボール箱を掲げた。俺は何も頼んだ覚えはないし、ホークスのだろう。
    「何が届いたんだ?」
    「エンデヴァー35周年記念タペストリー」
    「……は?」
    「いやもうすごいですよ見てくださいよほんと」
    ホークスが丸まった布生地を広げていけば、デビュー直後、20代、30代、40代、40代、40代、40代とエンデヴァーの写真が続く。40代だけ無駄に多いと突っ込めば、無駄な訳ないでしょと大声で跳ね除けられた。解せない。
    「これ俺達の初めての共闘の、こっちはあのときの、」
    ホークスは昔を懐かしむように、写真を指差しては微笑みながら感想を呟く。
    こんなグッズ許可した覚えはなかったが、事務所も畳んだし、ショート辺りに承諾を取ったのだろう。ヒーローは引退してしまったが、未だこういったグッズを求めるようなファンがいるという事実には感謝せねばならない。
    「それから」
    まだあるのか、と不思議に思いながら広げられる布を見る。いくら引退した年だからって半分以上40代なのはどうなんだ、写真の量のせいだろうか。
    「これはリハビリしてるエンデヴァーさんで、こっちはお箸でちまちまご飯食べてるエンデヴァーさん、」
    「 おい待て、」
    てっきり戦いの写真が出てくるのかと思ったが、突然プライベートな写真になって流石に止める。待てと言われたホークスは大人しく手を止めてこちらを見ているが、顔が満足気に緩んでいてどこか腹ただしい。
    「これは、買ったのか?」
    「いえ、業者に頼んで作ってもらいました。大変だったんですよ、デザイナーさんといっぱい打ち合わせして発色良いインク使ってもらって。特に赤とオレンジには拘りました。見てくださいこの美しい赤色合い」
    「すまんが分からん。」
    とりあえず全世界同時発売商品とかじゃなくて安心する。くるくるとまだ伸びる布にはところどころいつ撮られたのか記憶にない写真が混ざっているし、本当に発売されていなくて良かった。
    まぁホークスが楽しんでいるならいいか、と笑顔で布を見つめるホークスを見ながら思う。こいつも日夜働き詰めで疲れているし、廊下か部屋に飾るくらいは許してやろう。
    まだまだホークスの捲る手は止まらず、これエンデヴァーさんが立ったときの、などいくつも紹介が続く。
    「……いくらなんでも長すぎないか。」
    ホークスが広げ始めてから、もう5分は経った。だいたい横に1m、縦に……10mは余裕である。
    「これね、公安ビルのとこに飾ろうかなって、長くしてもらったんです。分かります?政治家の横断幕みたいな」
    「分かるが……」
    「ね〜いいでしょ。あなたの誕生日だけにしますし、ちゃんとそれ用のデザインも作ってもらってるんで!」
    これはサンプルの自分用です、と一気に全部の布を広げた。最後の写真は1ヶ月前のものじゃないか?
    断ってやりたいが、ホークスは目をうるうるさせてこちらを見つめてくる。俺がその顔に弱いのを分かってやっているのだ。
    「……分かった、8月8日だけは許可してやる。」
    「やった」
    「ただし、他のプロヒーローの分も作れ。勿論お前のもな。」
    「え、」
    「じゃなきゃ部屋に飾るに留めろ。贔屓だって言われたら困るだろ。」
    「ゔ……分かりましたよ。」
    じゃあファットさんから作ります、とパソコンのおいてある部屋へ向かおうとするホークスをエンデヴァーは慌てて引き寄せる。
    「もう一個条件だ、寝ろ。」
    「え〜〜〜えっちしたい」
    「2徹の恋人に無体を働くやつがあるか。」
    「…………朝這いする……」
    「俺より早く起きられるといいな。」
    ホークスをベッドに投げて、スーツを脱がせて、さっさとそこらのシャツを着せた。俺のだが、大きいから1枚で済む分こういうときは楽だ。
    「エンデヴァーさん、」
    「なんだ」
    「誕生日、おめでとうございます……」
    「ありがとう、当日と合わせて40回目だ。それから今日はもう10日だぞ。」
    「寝てないんで俺の中じゃまだ8日です。」
    「寝てくれ。」
    ホットアイマスクのように少し温度を上げた手で目を覆う。ホークスが疲れたときは毎回これで一撃で落ちる。今回もすぐにすーすーと寝息が聞こえてきた。
    乱れた髪を何度か撫でて、眠ったのを確認する。同じく寝ようかと思ったが、一つやることを思い出してベッドサイドからスマホを取った。
    パシャ、と控えめなシャッター音が寝室に響く。続けて2回、パシャパシャと同じ音がスマホから鳴る。フォルダから撮れた写真を確認して、一人満足気に鼻を鳴らした。
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