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    AsksmiJuniba

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    #6月18日はジュン茨の日

    ジュンとちびいばが邂逅する話です
    なんでも許せる方向け
    茨視点はまた別で書きます✍️
    なんだかんだ懐きそう♪って思ってます💭😌
    ジばに幸あれ❣️
    &イベントお疲れ様でした❣️

    #ジュン茨
    junThorn
    #漣ジュン
    mangroveJun
    #七種茨

    trigger「だ、誰だあんた!?」

    キンッと耳を劈く叫び声が寝起きのジュンの頭を覚醒させた。
    昨日というか夜中は一緒に寝ていたはずの七種茨はどこか幼く、姿かたちも寝る前とは全く変わっている。
    背格好も髪型も少し小さく短い。
    なにより今は也を潜めた生意気な目付きはここでは現在のようだ。
    ともあれ、ベッドで寝転んだままの話ではないとダイニングテーブルへ移動し、ジュンは小さくなった茨のために温かく甘いココアを作った。

    「え、茨……なんですよね?」
    「……さぁね。ていうかあんた誰?」
    「オレは……漣ジュンっていいます、あんたの…」
    「俺の、……なに?」

    さすがにここで"恋人です"なんて言えない。
    なぜなら茨と付き合うまでの苦労が泡になってしまう気がしたからだ。
    だから少しにごして"友人"と答えた。
    茨…区別のためにいばらと表記するが、いばらは、ふぅんと軽くいなし、ジュンが作ったココアを疑いもなく、2人のお揃いのではないマグカップを両手で支え、眼鏡を曇らせながらこくこくと飲み込んだ。
    ココアを飲みながらいばらはジュンの目をじぃっと見詰める。
    「あんた、なんで俺と一緒に寝てたの?」
    「えっ、あっ。……いや、茨が泊まりに来てたんですよ」
    「ふぅん、普通泊まる時一緒に寝るんだ?…まだ恋愛もしてないのに初めての相手が男なのかと思った」
    「…茨は、今忙しいんでそれどころじゃないと思いますよ」
    「俺かぁ、今なにやってんの?」
    「茨は今……、やっぱ内緒です、未来を知っちゃったら面白くないでしょ?」
    「えぇ〜?ケチ、じゃあジュンは今何してんの?」
    「オレは今アイドルやってますよぉ」
    「アイドル?へぇ〜、きれーな顔してるもんね。てことは俺は裏方って感じ?マネージャー…いや、社長とか?」
    「あははっ、そんな感じです。さて、いばらなんか食べます?」
    「……じゃあ、プリン…」
    「プリン?好きなんですか?」
    「…前に、教官殿が作ってくれた」
    「へぇ、そっすか。じゃあオレも作ってあげますよ♪」
    「ジュンも作れるの?」
    「任せてください」

    意気揚々と腕まくりをしてキッチンに立つ
    何度か茨の為に作ったことがあるが、この頃からの好物だったとは。
    必要材料をまずはかき集め、カラメルももちろん作る。
    材料を混ぜているところにいばらが覗きに来た。

    「なんかすることある?」
    「お、偉いっすねぇ〜♪じゃあ、生クリーム作ってくれます?」

    あとで作る予定だった生クリームをいばらに託してやり方を教えてやれば、飲み込みの早いいばらはすぐに作った。
    偉いっすねぇ〜、なんて褒めて頭を撫でてやると少しの抵抗を見せたがすぐに受け入れ大人しくなった。
    この様子は茨とはまた違った反応で新鮮だ。
    …茨、どこにいるんですかねぇ…
    ともあれ、いばらのお手伝いもあり、少しだけ早く作れたプリンとその上にカラメルと生クリームを絞りチョコスプレーをかけてさくらんぼを乗せて完成。

    「いただきま〜す。……うまっ、」
    「口に合いましたぁ?」
    「うん、めちゃくちゃ美味い。教官殿より美味いかも♪」
    「それは良かったっすねぇ〜」

    満足気ないばらの頭をくしゃくしゃと撫でる。
    その言葉でこっちも満足だ。
    その後もいばらに変化はなく一緒にゲームをしたりアイドルをしてるオレの映像がみたいというのでみせてやったり…少し照れくさいが。
    そこそこお腹も膨れてしまったためか映像を見ていたいばらはソファで寝落ちしてしまったようだ。
    男二人が並んで丁度いいほどのソファにすっぽりと収まるいばらの頭を自分の太腿に乗せて寝かせ、グレーのブランケットを掛けてやる。
    そっと起こさないように頭を撫でていれば温かい子供体温でこちらも眠気が誘われてくる。
    うとうとして夢と現実の狭間を揺らいでいたところ、パンッと銃声の様な音が聞こえて一気に意識が引き上げられ慌てて飛び起きた。

    「うわっ!?」
    「……ジュン…」

    ふと下から聞こえた声は先程まで聞きなれた少年の声変わり前の声ではなく落ち着いた寝起きの優しいテノール。

    「えっ、茨!?よ、良かった!戻ったんすね!」

    口元まで掛けられたブランケットから、さざ波のように揺らぐ蒼い瞳が虚空を見詰めている。

    「なぜ、あの時恋人だと言わなかったんですか」
    「…もし茨が大きくなってこの事を覚えていたら、オレのこと避ける可能性があったからですよ。…初めての恋愛がオレで後悔してません?」

    ジュンの問い掛けに茨は先程まであった出来事を思い出した。夢なのか現実なのか曖昧で分からないが、間違いなく自分の弱さが生み出したことだとは分かっている。
    硝煙と土ぼこりとかび臭いあの場所の記憶。
    茨はゆっくりと起き上がり海を切り取った様な蒼い瞳が、満月のような金色の瞳を見つめた。

    「……するわけないでしょう。してたらここには戻ってこなかったと思います」
    「茨…!オレも、茨の事大好きで愛してますよ」
    「はいはい」

    (……今は自分の方が愛していますよ、ジュン)

    おわり
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