プロポーズは突然に『追伸:言い忘れてましたが、師匠に棺桶の場所を聞いておいた方がいいですよ。彼は酔っ払ったら面倒なんで、早いこと寝かせてしまうことをおすすめします』
ドラルクから手紙の返事が届いたのは、きれいな満月の晩のことだった。確かに、ノースディンは酔うと厄介だ。外で望まない酒を飲んでくることもあるし、そういう時は大体悪酔いしている気がする。ドラルクが言うのも一理あるな。
夕方の礼拝が終わり、いつものように屋敷に向かった。私がノッカーを鳴らすと、扉は自ら開く。そういう風にできているのか、ノースディンの能力なのかはわからない。
「おはよう、ノースディン。今日は月が綺麗だ」
「いい夜だな、クラージィ。そうか、今夜は満月だったな」
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