願いは閃光の狭間にコマタナは、空を見上げていた。
満天の星空。瑠璃色の空に、ガラスを砕いて散りばめたような星星が輝いている。
時折瞬きのように揺れるそれらをコマタナが熱心に眺めているのは、そこに「ながれぼし」を探しているからだ。
昨日、ピーニャに読んでもらった本で聞いたのだ。
夜の空には時々「ながれぼし」が流れて、それが消えてしまう前に願い事を3回唱えれば願ったことが叶うと。
コマタナには、願いがあった。
ピーニャの腕の間でうとうとしながらその話を聞いていた時には、様々な願いが頭を過った。
好きなきのみを腹いっぱい食べたい。腕の刀をもっと長くしたい。額の刃は鋭くしたい。宿敵のオコリザルを負かしたい。ブロロンにかけっこで勝ちたい。コータスに近寄れるようになりたい。パピモッチを持ち上げられるようになりたい。もうちょっと喋れるようになりたい。ピーニャよりも大きくなりたい。
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