こういう話が見たいシリーズ③(ドドピニャ) それは閃光の彼方にあった。
「―――え、?」
眩しさに瞑っていた瞼を開いたピーニャは、目の前の光景に唖然とすることしかできなかった。
「………オマエ…」
「ピーニャ殿…?」
「うそ、」
驚いた様子で自分を見る少年少女達。その向こうに広がる雄大な大地。抜けるような空。
そして。
「……ド、…?」
陽光を受けて艷やかに光る体を持つ、異様な姿の怪物だった。
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「うわぁ?!何!!!?」
突然草むらから飛び出した生き物に飛び上がったピーニャは、それがやけに大きなバッタのような姿をしていることに気づいて「うわ」と目を開いた。
「え、何これ虫…バッタ?黒い…でか…うわああめっちゃ跳ぶじゃん!!」
びよん、と跳ねてどこかへ行ってしまったおかしなバッタを胸を押さえて眺めていたピーニャは、はあとひとつ大きなため息を吐いて後ろを振り返った。
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