いきていて。「コマタナ。ひとつ、約束してくれる?」
ピカピカになった手が、おひさまの光に当たってきらりと光るのがカッコいい。
ふたりでえらんだと石をおいて、ピーニャがなにか言っている。
タオルで手をふいているピーニャの足のあいだにすわっているので、上をみればすぐに顔がみえた。いつものピーニャ。ニコニコじゃないけど、やさしいかお。
「コマ?」
ピーニャの手があたまをなでる。
あったかくて、なでなでされるとあたまの中までぽかぽかしてとてもきもちいい。
目をとじてきもちいいのを楽しんでいると、もういちどピーニャが言った。
「約束」
「コママ?」
やくそく、はなんだろう?
ピーニャのことばはときどきむずかしくて、でもたくさん聞いているから少しずつわかるようになってきた。
やくそく、は楽しいことかな?
「もし、これから先、ボクら2人が危険な目に遭うようなことがあったとして」
キケン?なにかこわいことがあるのかな。
テキなら大丈夫。このピカピカの刀でたおしてみせるから。
「そういう時、ボクが『助けて』て言ったら、助けてくれる?」
「マ!」
もちろん!
りょうてをふり上げてへんじをすれば、ピーニャはうれしそうにわらってくれた。
「サンキュー!頼もしいね!…なら、ボクが『大丈夫』て言ったら、助けなくていいからね」
「タナ!」
なるほど!
ピーニャはおっきくてつよいから、じぶんでなんとかできるんだね。
「キミは、キミのことだけ考えて動いて」
やくそくだよ、と言ってピーニャがうしろからぎゅっとだきしめてくれた。
前はこうするとおなかの刃でピーニャがケガをしちゃうこともあったけど、いまはいたくならないばしょを知ってるから大丈夫。
体中がポカポカする。うれしい。
「コマタナ」
「ナーナ?」
ピーニャのやさしいこえ。だいすきなこえ。
「キミだけは、」
さいごのこえは小さすぎてきこえなかった。なんていったんだろう。
「大丈夫だよ」
“約束”は、守らなければならない。
何故ならば、それを破ることは「信頼」を裏切る事だからだ。
「ドドゲザン、ボクは、『大丈夫』」
けれど、こんなのは卑怯だ。
優しく笑う顔はあの時と変わらない。
変わらないのは、あの時からずっと、ピーニャの気持ちが変わっていないからだ。
「ドドゲザン」
優しい声。愛しい声。
「キミだけは、」