たいふ・やにょう2穏やかな時間が流れていた。
モモの足もだいぶ良くなっていて、もう歩くのに松葉杖はいらなくなった。引きずりながらもちゃんと一人で歩けていて、思ったよりも早い治りに周りも医者も感心していたところだった。
体を動かすのが好きな彼のことだから、本当はもっとアクティブに活動したくてたまらなかっただろうに、頑張って我慢した甲斐があったねと褒めれば嬉しそうにしていた。
夜に一本、ラジオの生放送が入っているけれどそれまで時間があるし、一緒にお昼ご飯でも食べてゆっくりしようと提案した。
ご飯のあと、ワイドショーをぼんやり見ながら、ソファの上でうつらうつらと船をこぎ始めたモモにブランケットを掛ける。
食べたあとに寝ると豚になっちゃう、と日頃から嘆いているモモだけれど、豚になったって牛になったって、モモはモモなんだから僕は寂しくないよ、と起こさずにそのまま寝かせていることが多かった。
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