1日いちにゃんじ EPISODE ZERO「みい。……みい」
つめたいかぜがふいて、めがさめた。
まわりから、「みい、みい」とこえがする。
ぼくのこえなのか、まわりのこえなのか、どっちもなのか、わからない。
でも、とってもさむくて、ぼくはぎゅっとからだをちぢこめた。
なにか、おおきなこえがきこえる。
がんばってめをひらいたさきには、おおきなくろい「なにか」がみえた。
ばさばさ。みいみい。があがあ。
ぼくはそこで、めをとじた。
めがさめた。
ぼくのまわりからは、もう、こえはきこえなかった。
かたかた、ふるえる。
さむい。さむい、のかな。
きゅう、とちぢこまらないと、だめだ。
そうわかっていても、もうからだがうごかなかった。
このまま、またねよう。
そしたら、おなかのきゅるきゅるも、さむさも、きっと。
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