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    ゆずしそ

    @yuzushisonegi

    にゃんじ!!!!!!
    ちょっとかわいそうなにゃんじ、たくましいにゃんじ、かっこかわいいにゃんじ。🐱が♥️

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    ゆずしそ

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    #1日いちにゃんじ の、たくましくてちょっとかわいそうなにゃんじ。彼はどうやって、かいぬちの家にたどり着いたのか?
    前日譚です。だいぶかわいそうです。

    #死ネタ
    newsOfADeath
    #にゃんじ

    1日いちにゃんじ EPISODE ZERO「みい。……みい」

    つめたいかぜがふいて、めがさめた。

    まわりから、「みい、みい」とこえがする。

    ぼくのこえなのか、まわりのこえなのか、どっちもなのか、わからない。
    でも、とってもさむくて、ぼくはぎゅっとからだをちぢこめた。


    なにか、おおきなこえがきこえる。
    がんばってめをひらいたさきには、おおきなくろい「なにか」がみえた。
    ばさばさ。みいみい。があがあ。
    ぼくはそこで、めをとじた。




    めがさめた。

    ぼくのまわりからは、もう、こえはきこえなかった。


    かたかた、ふるえる。
    さむい。さむい、のかな。
    きゅう、とちぢこまらないと、だめだ。
    そうわかっていても、もうからだがうごかなかった。


    このまま、またねよう。
    そしたら、おなかのきゅるきゅるも、さむさも、きっと。


    ふわ。と、あたたかいものにつつまれた。
    なんだかわからない。さっきのくろいなにかみたいな、こわいやつかも。

    でも、それでも、ぼくはこころのなかまでぽかぽかしてしまって。
    はなさきにちょんとさわったなにかを、ぺよ、となめた。

    ぺよ、ぺよ。
    ふたなめ、さんなめまでして、ぼくはまた、めをとじた。



    おはよう。ぼくは、“___”。ねこだ。
    ひろってくれた人が言うには、ぼくはすてられていたみたい。
    そこから、ぼくをたすけてくれた。ごはんも、おやつも、おもちゃも、あたたかなねどこも、ぜんぶくれたんだ。

    その人のまわりは、いつも、あたたかくてぽかぽかしている。
    ぼくは、あの人が、だいすき。

    「そうかい、そりゃいいな」
    「!」

    おとなりの、おおきなねこさん。
    かわれているのに、お外を歩いている、かわったねこだ。

    「でも、お前はずっと一緒にはいられないぞ?」
    「ど、どうして?」

    びっくりして、ぼくがつっかえつっかえきくと、おとなりのねこさんはぺろりと前足をなめて、話してくれた。

    「ねこは、人間より早くしぬからな。
    お前もきっと、人間より早くしぬ。そんで、人間はかなしむけど、何年かたつとわすれちまうんだ」

    ぼくは、ぴゃあ、とないて、それっきり話せなくなってしまった。

    「どうすれば、ずっと一緒にいられるんだろう」
    よるになって、ぼくがかんがえていると、きらきらのなにかがおそらを走った。

    「きれい」

    ぼくはみゃあみゃあなきながら、そのきらきらに、おねがいした。
    「あの人と、ずっと一緒にいたいです。たとえ、ぼくがぼくじゃなくなったとしても。ぼくのことを、あの人が、きらいになったとしても」

    きらきらは、もっときらきらしながら、くらいおそらの向こう側へ消えていった。




    目がさめた。朝だ。
    あの人が泣いている。
    ぼくを……ううん、ぼくだったものを見ながら。

    きらきらは、僕の願いを叶えてくれた。
    だから、僕は“___”では無いふりをしないといけない。

    だって、今の僕は“にゃんじ”なんだから。

    僕はニセモノだけど、このぬいぐるみの体は、僕ににゃんじとしての知識をさずけてくれた。
    だから、僕は……いや、にゃんじは、そのとおりに。



    「かいぬち、おはにゃまつ。にゃんじでつ」
    「ずうっと……いっちょでつよ😸」

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    ashi_5687

    DOODLE昔書いた冬の海のローサンに反応頂いて、懐かしい〜!て気持ちになったので、小説投稿し直し🙏🏼書き直したいところ結構あるけどまあそのままで😂
    死ネタです。
    無題/ローサン アイツはある日突然、死期を悟った野良猫のように、何も残さずおれの前から消えた。そして今日、五年越しに手紙が届いた。「この手紙は、おれが死んだら渡すように言伝した。」から始まる、おれへの謝罪と今住んでいる地について、そしてかつて過ごした日々のことを綴った短い手紙。涙も出なかった。
     その手紙を持って、アイツが死ぬまでの五年間を過ごしたらしいその地を訪れた。そこは小さな港町で、二月の早朝は人もまばらだ。吐く息は白く、鼻先と耳は冷たくて痛む。
     防波堤に沿って歩く。人の住む気配のない木造家屋、地蔵が祀られている小さな祠、長年強い日差しに晒されて劣化し色褪せた、バス停のブルーのベンチ。防波堤の石階段を上り、さらにその上を歩む。砂浜が見えた。防波堤のすぐ側では、海浜植物が打ち捨てられた漁船の船底を突き破り、まるで船体を丸呑みする大きな生き物の様に覆っている。砂浜に足を踏み入れ、波打ち際まで歩いた。潮の流れの影響か、漂着したゴミばかりだったが、そんなことは構わなかった。波打ち際の流木の上に腰かけ、しばらく遠くを眺めた。
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