国宝級「ん…ロナルドくん…っ」
性急な恋人のあいも変わらない強引なキスを受け止めながら、彼に応えるのはなかなか骨が折れる。
まず、牙でロナルドくんが傷付かない様にしないといけないし、彼のひとりよがりになる長いキスで私の息が持たず死んでしまわない様に彼を尊重しながらリードするのだ。
なんて献身的な私なんだろうと、自画自賛してしまう。今日はせっかくだし私が色々と彼にしてあげようかと思い、唇が離れた頃合いを見て彼の首筋にチュッと吸い付いて見せた。
「おっおいっドラルクッ!?」
驚いた彼の声を聞きながら、首筋から鎖骨、胸元からおへそへと徐々に下へと降りて、ズボンの上からでもわかる彼の主張する場所を指でなぞり上げた。それだけで彼にはいい刺激なのか、ソコがビクビクと震えていてとても愉快だ。
「さぁて、ロナルドくんのココはもう限界かな?私が可愛がってあげようじゃないかっ」
「ちょっ待て!?ドラルクタンマ!!」
彼の言葉を無視して一気にズボンを下ろすと、目の前に『国宝級』とど真ん中に書かれたスパンコールでテッカテカに輝くパンツをロナルドくんは履いていた。
「ファーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!」
「だから待てって言ったのにっ!!!」
私の腹筋はそれだけで崩壊し砂となりその場に朽ちて、ロナルドくんは涙目で私をかき混ぜた。
「だから待てって言ったのにっ!!!」
「知るかっ!!大体ここまで良い雰囲気だったのに国宝級でブチ壊しやがって!!」
自分で言っておきながらせっかく再生したと言うのに、腹筋崩壊でまた砂になった。
「ドラルクゥ〜」
「混ぜるな混ぜこねるなっもう今日は私の腹筋が再生しないからおしまいね」
「何でだよっ!!パンツなんて脱いじまえば問題ないだろっ」
「大有りだ!!スカポンルドッ!!君の国宝級見る度私が死ぬぞっ!!てか、何でこんな時に限ってそのパンツ履いてるんだいっ!?」
「チキショーーッ俺がどんなパンツ履いてようが勝手だろ!?っか、このパンツお前がくれたやつだろうがっ!!」
「確かに君にプレゼントしたが、よりにもよってすぎるわっ!!…ああ、もうだめだ笑いすぎて体力ない…」
「うぇーーんっマジかよっ!!俺の国宝級はどうするんだよっ!?」
「自分で何とかしなさい」
「ドラ公が冷たいっ!!」
慰める手伝いくらいはしてあげても良かったのだが、どう足掻いても『国宝級』がチラついて優しく手を差し伸べる事は出来なかった。