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    irsk0064

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    テラ世界線の現代パロの炎博♂
    モブ子目線で、炎博は会話してないほんのり炎博なもの
    唐突にはじまり唐突に終わるので雰囲気でお読みください

    A子さんは見たシリーズ1話~4話■A子は見ました1話■

    こんばんわ、私はA子です。
    何故こんばんわなのかというと今は夜の23時前だからです。
    はい、仕事終わりの帰り道でげっそりとしています。
    しかし今日の私には楽しみがあります。
    マンションの隣の部屋に住む優しく綺麗な人(性別はどっちだろう?)が、作り過ぎちゃって…と美味しそうな料理を差し入れてくれたのです。
    それだけを支えに色々とこなして帰路につき、マンションはようやく目の前です。
    おっと、マンションの玄関ホールにいるのは、噂のお隣さんです。
    職業はおそらくお医者さんか研究者さんのはず。
    この前にクールビューティというキャッチフレーズが付きそうな、銀髪セミロングのフェリーン女性が訪ねてきた時に、あの人をドクターと呼んでいたからです。
    そんな人だから、夜遅くに外にいても不思議ではないですが…あの人の前に立っている人が、問題です。

    上から下まで黒い服を着た長身の男性。角や尾の特徴からしてサルカズなのでしょうが、それにしたって…いえ、人を見た目で判断してはいけないのですが、その…怖そうな人です。
    思わず壁の影に隠れて様子を見ることになりました。
    とはいえドクターさんに何かあればこの本やら書類やらつまった通勤カバンで殴りつける覚悟はありますが。
    ひとまずドクターさんの表情はとても穏やかでおそらくは知り合いなのでしょう…どういうお知り合いなのかは不明ですが…。
    話の雰囲気からしてそろそろお帰りになるのかしら、と見守っていたら、信じられないことが起きました。

    サルカズの男性が、
    ドクターさんの頬に、
    口づけを落としたのです。(たぶん)

    その直後、いつもふわふわと笑って穏やかなドクターさんが、顔を真っ赤にして、大きな声で抗議を始めました。
    サルカズさんは面白がるように笑ってそのまま帰ってしまいました。
    その時に気づいたのですが、サルカズさんのお顔はとても整っており、もしかしてモデルさんかしら?と私は呆気にとられてしまいました。
    いえ、それよりも大事件です。
    ドクターさん、今の方とのご関係は?
    今日の私は満足に寝れないような気がします。



    =====================
    ■A子は見ました2話■

    こんにちは、A子です。
    先日は衝撃的なシーンを見てしまったためにあまり寝ることができませんでした。
    衝撃的なシーン、それはお隣のドクターさんが見知らぬサルカズの男性に頬にキスされていたところです、たぶん。
    たぶんというのは、丁度サルカズさんの身体に隠れて見えなかったためです。
    頬にキスをしたのだろうと判断したのは、顔や身体の角度がドラマやアニメでよく見る構図だったためです。
    見知らぬ人たちがそうしていただけなら、あら仲がいいのですね、で終わるのですが、お隣さんはとても良い人なので正直複雑な感情で一杯です。
    深い交流はないのですが、挨拶の時の表情や、何かと気にかけてくれるところが若奥様というような雰囲気ですので、ひとり暮らしの私にはお姉さんのようなお母さんのような存在です。(性別は不明ですが)
    趣味は園芸なのでしょうか、ベランダには小さな鉢植えがいくつか設置されていて、たまに水やりをされているところを見ます。

    そんなドクターさんが、見知らぬ男と。
    いえいえ、きちんとしたお相手でしたら私は祝福します。
    ですが深夜に黒ずくめの格好で訪問するなんて怪しすぎます。
    はぁあ、と深いため息をついて買い物に出ようと身支度をします。
    今日はスーパーの夕方タイムセールです、お得な日は見逃すことはできません。
    がちゃり、とドアノブをひねるとお隣からも同じような音が。
    もしやと見てみると丁度ドクターさんも出てきたところでした。

    「あ、こんにちは。」
    「こ、こんにちはです。」
    まさか頭の中で考えていたその人が出てくるなんて思いもせず、上手く挨拶できませんでしたが、ドクターさんはふわふわと笑っていらっしゃいます。
    「君も買い物かい?」
    「ええ、はい、近くのスーパーまで。」
    お互い買い物袋を持っていることに気づいてふふふ、と笑いあう…とても幸せな瞬間です。
    そんな時にもよぎるのはあのサルカズの後ろ姿です。
    ここ数日繰り返し考えていたせいでしょうか、普段なら気をつけるのにうっかり声に出してしまいました。
    「あの、先日黒い服を着たサルカズの方と玄関ホールでお話になっていましたよね…?」
    「え?ああ…この前の…。」

    そこまで言葉を紡いだにも関わらず突然無言になるドクターさん。
    急にフリーズしたように動かなくなるので首をかしげたところ、途端に顔が夕日の真っ赤になってしまいました。
    「いやっ違うんだ、あいつは友達…でも、ないけど、その大したことじゃないから…っ。」
    こんなに慌てるドクターさんを見るのは随分久しぶりでした。
    寝ぼけてたら洗剤いれすぎて洗濯機から泡が止まらないのでどうしたらいいかと訪ねて来られた時以来でしょうか。
    いえ、今はこんな事を考えている場合ではありません!

    「もしかして恋人ですか…!?」
    「ち、違う違う!ほんと、なんでもないからー!」
    関係もどこのどなたかも確認できないまま、ドクターさんは走って逃げていかれました。
    これ以上は踏み込まないほうがいいのでしょうか?
    それでもあのサルカズの人が危険人物ではないと確認するまでは落ち着きません。
    A子、引き続き調査を行います!


    「もしもしっ!?エンカクか!君、この前はなんて事をしてくれたんだ、私の私生活が気まずくなるだろう!今からそっち行くから大人しく待って、あっ切りやがった!」


    =====================
    ■A子は見ました3話■

    こんにちは、こんばんわ、A子です。
    今日は仕事場から直帰できたので夕方と夜の境の時間です。
    帰りに大好きなスイーツを買うこともできたのでご機嫌です。
    いえ、正確にはご機嫌、でした。
    今はもうどうしたらいいのか、マンション近くでうろうろするしかありません。
    例のサルカズさんが、玄関ホール前で立っているのです。
    うちのマンションは、簡単なセキュリティが玄関ホールに設置してあり、鍵がないと入れないのです。
    おそらくはドクターさんが不在で中に入れず、帰りを待っているのでしょう…近くに喫茶店があるのでご案内すべきでしょうか。
    そもそも私と彼は面識は一切ないので、簡単に挨拶でもしてそそくさと中へはいってしまえばいいのですが、やはり詳しくは存じ上げないのでどうすればいいのか戸惑うばかりです。
    怖い人なのでは?というのは偏見かもしれないので、ひとまずは隠れて観察しようと思います。

    黒髪に黒い角が1本…いえ、短い角が更に2本あるようなので、合計3本でしょうか。
    やや鋭い目つきにスッととおった鼻筋にバランスの良いお顔の形。
    マジックアワーの景色の中でスマホに目を落とすその姿は、どうみても写真集の1ページを飾るにふさわしいといえるでしょう。
    服装は黒い7部袖の襟付きのシャツに、黒いズボン、黒いブーツに黒のメンズブレスレットに黒のピアス、ついでに黒くて細長いサルカズの尻尾…どうしてここまで黒いのでしょうか、このままだと闇に溶けてしまいそうです。
    辛うじて銀の指環が光るだけのコーデではありますが、その分鍛えられた腕や首筋が美しく際立ちます。
    ついうっかり、感嘆のため息が出そうになりますが、いかんいかんと首を振ります。
    見た目に騙されてはいけません、人は中身が重要です。
    いくらイケメンでも、例えば金使いが荒いだとか、人格に問題があるとかでは、ドクターさんに近づけるわけにはいきません。
    とはいえ、いきなり話しかけるのもどうしたものか、と考えていたところ、彼に電話がかかってきたようでした。
    「…俺だ。」
    見た目に違わぬ良いお声でした。
    低いながらもよく通るはっきりとしたお声で、色気が漂うにも関わらずクールさを感じる、人を惑わすような、そんなお声だと私は感じました。
    「…なるべく早くしろ、お前に預けるものがある。」
    かさり、と音がした方をみると、彼のもう片方の手にはビニール袋がぶら下がっていました。
    形と袋のふちから除く緑の葉っぱから推測すると、鉢に入った観葉植物か何かでしょうか。
    そういえば、ドクターさんのベランダにはいくつか観葉植物が並んでいますね。
    あのサルカズさんがドクターさんにプレゼントされていたのでしょうか。
    …プレゼント…………。

    「合鍵だと?必要ない、お前がいなければこんな所にに用事はないからな。…なんでもいいから早く来い、いいな。」

    はっ、プレゼントという言葉に動揺して一瞬意識が飛んでいました。
    何やらお話されていたようですが、電話は終わったようですね。
    とはいえ、雰囲気からしてドクターさんがお帰りになるのはもう少し先でしょう。
    いつまでもここにいたら私が不審者として通報されかれません。
    ここは勇気をだして、ただの住人として部屋に戻るのが良いでしょう。
    ごくりと唾を飲み込んで、私は歩き出しました。
    「こ、こんばんわ…。」
    私の声に、彼は軽く頭をこちらへ向けます。
    琥珀色の炎が揺れる鋭い瞳。
    まるで何もかも見透かされているような視線にゾゾッと背筋が震えました。
    そこからは思考が真っ白になってしまって、どうやって自分の部屋に戻ったのかわからなくなっていました。
    心なしか、心臓がいつもより早く鼓動をうっているような気がします…生きた心地がしないとまではいきませんが、そんな気分です。
    ドクターさん、あの方とは本当にどんなご関係なのですか…?
    今度きっかけがあれば、詳しくお伺いしよう、そう決意をした瞬間でもありました。
    引き続き、A子は調査を行います。


    ===============
    ■A子は見ました4話■

    「その、すごく大きいパフェだね…一人で食べられるかい…?」
    私が頼んだ特大いちごパフェが運ばれてきたのを見て、ドクターさんはとても戸惑い、驚いた様子でした。
    ちなみにドクターさんが頼まれたのはコーヒーとレトロプリン1つです。

    挨拶が遅れましたが、こんにちは、A子です。
    先日の誓いを果たすため、ドクターさんと街中のちょっといいところにある喫茶店へやってきました。
    こちらは人気の喫茶店ですので、マンションの近くの喫茶店とは全然異なるラインナップに浮かれて特大パフェを頼んでしまいました。
    いいえ、違います、これは栄養補給なのです。
    今から大量のエネルギーを消費すること間違い無しですので。
    ええ、お察しのとおりあのサルカズさんについてドクターさんに確かめるのです。
    あの時の視線を今思い出しても、背筋や尻尾がぞわぞわしてなりません。
    今後の私のためにも、そして一番重要な、ドクターさんは無事に生活できているのか確認するためにも、聞き出しが必要と判断致しました。

    「黒くてでかいサルカズ…って、エンカクのことかっ?もしかして何か怖い思いをさせてしまったのかい?」
    第一に私の事を心配してくれるドクターさんはやっぱり心優しい方です。
    そしてあのサルカズさんはエンカクさんと仰るのですね、私、覚えました。
    「あいつのことだから変な事はしないだろうけど…。なるほど、睨まれた気がすると。目つき悪いもんなぁ…。」
    うーんと腕を組み瞼を閉じるドクターさん。
    おそらく彼の事をその瞼の裏に思い浮かべているのでしょう。
    また、話し方から察するにやはりお知り合いで、しかも結構距離間が近いと思われます。
    やはり恋人さんなのでしょうか。
    「だ、だからそういうのじゃないって…!なんと言えば…ううん、うまく言葉で言い表せれないな…。」
    ドクターさんは再び唸ってしまいました。
    眉間には先程はなかった皺が刻まれています。
    それほど複雑なご関係なのでしょうか…友達以上恋人未満?いえ、不倫関係だったり…!?
    最近そういうドラマを見ていたせいで色々と考えが巡り巡ってしまいます…!

    「とにかく、見た目があれだけど良い奴だから安心してくれ。でも万が一、怖い目にあったら遠慮なく私に言ってくれていい。」
    あいつを叱ってやるからさ、と言ってふんわり笑うドクターさんはどことなく幸せそうに見えました。
    そうなってくると、普段はどうされているのかが気になるところ。
    ドクターさんとエンカクさんのお二人は全く違う雰囲気をまとっていますから、私では全く想像つきません。
    「普段…そうだなぁ…。私が仕事に熱中しすぎて食事を忘れると簡単な料理を用意してくれたりするなぁ。」
    必ず小言と不機嫌な顔がセットなんだけどね、と付け足しますがそれは愛情の裏返しでは…!?
    本当に興味がない相手でしたらそもそも世話なんてしませんよ、ドクターさん。
    「あー…一応私はあいつの上司というかそういうのだから、仕事に支障をきたすのが嫌なんだと思うよ。」
    ははは、と力なく笑いますが、ドクターそれはマンガでもよくある職場恋愛ですか!?上司と部下の恋愛ですか!?

    「…その、さっきから誤解を招いていると思うのだけれど。私と彼は恋愛関係ではないからね…、うん。」
    確かにご飯を作ってあげているだけならまだ友人関係でもありますが、そうではないでしょうと言える証拠を私は見てしまっています。
    そう、初めてエンカクさんの存在を知ったあの日の、頬にキスをした瞬間です。
    頬にキスなんて浅い仲ではないと思うのですが、いかがでしょうか!?
    「や、やっぱりアレを見ていたのか…っ、忘れていてくれてよかったのに…。あいつがからかってあんな事しただけだよ、あいつは私に嫌がらせをしてくること多いんだ。」
    やれやれという肩をすくめるドクターさんですが、でも、と続けます。
    「案外、面倒見がいい奴だし頭もいいしで許しちゃうんだよなぁ…。こういうところに付け込まれているのはわかっているんだけど。」
    …これは。
    所謂、惚気話が始まっているのでは?
    ドクターさん、気づかぬ内に惚気話をされているようですのでそのまま続けて頂きましょう。
    例えば、どうやって出会ったのだとか。
    「馴れ初めかい?最初は私もちょっと怖いサルカズだなぁ~って思っていたのだけれど、彼の的確な意見とか仕事をそつなくこなすところがいいなって目にかけてから色々話すようになったかな。」
    その後も次々とエンカクさんの良いところがドクターさんによって述べられていきます。
    ご本人がこの場にいたらむず痒い思いをしているでしょう…一度もまともに会話をしたことはありませんので、あくまで想像ではありますが。
    「あとは…あいつの趣味が園芸なのは意外だったな。それはいいが、うちの部屋にも鉢植えを増やすのはもう少し控えてほしいな。そろそろ本よりも鉢植えに場所をとられそうなんだ。」
    うーん、こうやってサラっと問題発言ができるなんてドクターさん、やはり無自覚ですね。
    つまりこの前のビニール袋にぶら下がっていた鉢植えはプレゼントではなく、エンカクさんの私物だったのですね。
    これはお泊りもよくされているのではないでしょうか。
    聞けば聞くほどお二人の関係がただならぬものだという確信を得てしまいます。
    「さて、いい加減にしないと個人情報流出でエンカクに怒られてしまうな。私から聞いたことはなるべく秘密にしておいてくれ。」
    プリンを食べ終え、少し冷めてしまったコーヒーをすするドクターさん。
    一方私はドクターさんのお話をおかずに特大イチゴパフェをペロッと食べ終えてしまいました。
    まるでドラマか何かのようなお話をこんなに身近な方から聞けたなんてとても良い時間を過ごすことができました。
    これからも様子を見守っていきたいところです。
    そしてあわよくば結婚式にお呼ばれしたいのですが流石に気が早すぎるでしょうか。
    「いやあの…本当にそういうのじゃないからね…?」
    やってしまいました、うっかり口から零れてしまったようです。
    興奮してしまうと余計なことまで話してしまうことは私の悪いところです。
    「そもそも男同士だからな…。他の人がそういうことでも私は気にしないけど私は…うん。」
    …、ドクターさん男性だったのですか!?


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