無題「隼人」
ベッドの上で全裸でぼーっと座っている隼人を後ろから抱き締めてやる。するとようやく意識が戻って来たのか、くすぐったそうに返事をした。
「すみません」
「もしかして痛かったとか?」
「いえ、むしろ逆で……」
「余韻でぼんやりしちゃったんだ?」
赤面して頷く彼女。綱吉は一旦離れ、ベッド下で投げられたままの下着を取った。
「ほら。そのままじゃ寒いでしょ?」
「あっ、いいですから、そんな」
「俺がやりたいの」
綱吉が選んだ黒のそれを付けて、フロントホックをはめてやる。神経質な彼女にしては派手すぎるものだったが、こちらが選んでやらなければ地味なものを二年三年と平気で付けるので、こまめにプレゼントとしていた。
「あ……」
肉を寄せるところまでしっかりやると、ピクっと反応して可愛らしい。
「ありがとうございます……んっ」
「もうちょっとしたいな……」
その言葉にはっとしたのは隼人だった。
「ダメです!今日は大事な会議があって、それからどうしても外せない食事会が……」
「解ってる解ってる」
もう仕事始めモードの隼人か……。切り替えが早いのも好きなところだ。にっこり笑って返すと、満面の笑みを見せてくれる。
ボンゴレのボスなんて言われているけど、結局この最愛の子にだけは勝てないのだ。