君の隣は僕じゃない中学一年の4月からひとりぼっちだった僕は、同じくクラスで完全に孤立していた江戸川乱歩に声をかけた。
もう誰だっていいから、友達がいや最低でも喋る仲間が欲しかったんだ。そりゃもうありったけの勇気を出して、僕と友達になってくれませんか、と声をかけてみたんだ、掃除時間で2人きりの時に。しかし返ってきたのはこの返事。
「それ、僕じゃなくてよくない?」
びっくりした。
その通りだったけれど、そんな言葉をここで言われるとは思っていなかった。
彼はこう続けた。もどかしそうに続けた。
「ああ違うな、こういう時なんて言えばいいんだったか、『ごめんね、君を傷つけるつもりはないんだ。ただ、僕といてもろくな目にあわないだろうし、君はさ、確かに今は1人だけどじきにそうじゃなくなるよ。だから友達にはなれない。『ごめんね』キミの隣は僕じゃないよ』」
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