Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    えむ🐮

    フレンズ箱推し

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 7

    えむ🐮

    ☆quiet follow

    クリスマス配信のれめしし時空の菊はじめネタです

    菊はじめ 菊はじめ。
     それは男性同士の新年一発目の性行為の事でる。

    「あけましておめでとう。観測者の諸君! こちらレイメイだ。新年にする事といったら姫はじめ。いや、オレとケイイチ君は男同士だから菊はじめだな。そんなワケで、オレとケイイチ君の菊はじめ緊急ナマ配信始まるぞー!」
    『うわっ、またかよ!』
    『待ってましたっ!』
    『レイケイ待ってましたぁ!』
    『菊はじめキタコレ!』
    『ケイイチなんかじゃなくて私を抱いてー!』
    『うわーまたエッチなのきたー!』

     クリスマスのハメ撮りナマ配信から数日後、熱烈なファンの熱い要望によりシリーズ化が決定したハメ撮りナマ配信がまたもや行われる事になった。
    『絶倫すぎだろ……』
     観測者と呼ばれる視聴者の一人が思わずそうコメントしてしまうのには理由がある。
     なぜなら、初回のクリスマス配信から間を置かず、大晦日特別ナマ配信・出し切れ煩悩108発スペシャル&新年ハメましておめでとうスペシャルという大ボリュームな二部構成のハメ撮りライブ配信が行われたばかりだった。
     ちなみに内容は108発も射精するのは不可能なので互いが限界まで射精しつつ、年明けに合わせて獅子神の尻に仕込んだ龍の尻尾飾り付き七連アナルビーズを引き出して新年を祝うという濃い内容だった。

    『あの~姫はじ、じゃねえや、菊はじめってのは昨日やったんじゃ……』
     配信を見せられた事によりその手の性癖に目覚めてしまった者も多くいるとはいえ、観測者の大半はノーマルな性癖の男性の方が多い。
    なので、肯定的なコメントを飛ばしつつも、実のところは男同士のハメ撮り配信なんて見たくはない。けれど、配信を見れば報酬が約束されるので仕方なく視聴し、肯定的なコメントを飛ばしているだけでしかない。

    「菊はじめってのは二日の昼からなんだってさ」
     内心では視聴したくない観測者の気持ちを慮る事なく、辰年に因んだドラゴン模様の中華服に身を包んだ黎明は平然と答える。
    『ああぁ~! その格好、チャイナマフィアコスですね! ありがとうございます!』
     配信を心から楽しんでいる腐女子の観測者が大興奮するのも無理はない。何故なら、彼女はマフィアパロで黎明の小説を書いていた事があるからだ。
     そんな事情はさておき、一部の観測者しか得をしないハメ撮りライブが始まろうとしていた。 

    「なぁ、叶。始める前に一ついいか?」
    「ん? なんだいケイイチ君」
     だが、そのタイミングで獅子神が待ったをかける。
    「オメー、出オチって知ってるか?」
     その言葉に黎明の顔から笑みが消え、気まずそうな表情を浮かべて視線を逸らす。
    「……言うなよケイイチ君。正直言って、オレも滑ったかなって思ってるんだからさ」
     気まずそうに視線を逸らし、天井の一角を見つめたままこちらを見ようとしない黎明に対し、獅子神は反省を促すように語気をやや強める。
    「まずは、天井じゃなくてオレを見ろ」
     叱られた子供のようにしゅんとした様子で獅子神へと視線を移す黎明の目に飛び込んできたもの。

     それは、美しい花瓶だった。

    「とりあえず、オレの縄を解いてくれ」 
     両手を頭上で組み、M字開脚で尻を突き出すような体勢で椅子に拘束されている獅子神の尻には、菊はじめにちなんで菊の花が一輪挿してある。
    『あっ、ソレ知ってる! 美しい花瓶にいくらの値を付けるってやつですね!』
     腐女子の観測者が目を輝かせながら、興奮気味に声を上げるように、今回の配信で黎明がやりたかったのは競売ネタだった。
     構想の段階では、中華マフィアに扮した黎明が美しい花瓶こと獅子神を競売にかけ、観測者達に値を付けさせて盛り上がる予定だったのだが、本人でも薄々は勘づいていた。
     どう考えてもこのネタは滑っていると。

    「敬一君。ごめん」
    「ヤリ過ぎて疲れてんだよ。オメーは」
     素直に謝罪しながら拘束を解く黎明に対し、獅子神は優しく微笑みかけると、続きの言葉を投げかける。
    「セックスしすぎるとバカになるって俗説があんだろ? あながち間違ってねえみてーだな」
    「そうだな。オレ、かなりバカになってたみたい」
    「菊はじめだからってケツに菊の花挿すなんて相当イカれてんな」
    「思いついた時はコレだ! って思ったんだけど……でも、オレのこの中華マフィアコスは似合ってんだろ?」
    「ああ、それはスゲー似合ってるけどよぉ、実際居るのか? そんな格好のマフィアって」
    「知らねー。ただの概念とかパロディの定番ってだけだし」
     軽口をたたき合い、互いに笑い合った後、獅子神は穏やかな表情で口を開く。

    「まあ、ともかく、今日は寝るぞ。寝正月って事でいいだろ?」
    「そうだな。そう言われるとなんか急に眠くなってきた。というワケで、菊はじめ改め、オレとケイイチ君のスヤスヤ配信決定~!」
    「寝てるとこまで配信すんのかよ!」
    「いーじゃん別に。需要あるんだからさ」
    『レイケイ寝顔配信ですか!? 需要ありまぁっす!』
     獅子神が否定するより早く、腐女子の観測者は歓喜に満ちた声で答えたので、黎明はしたり顔でベッドを指差す。
    「だってさ。オレの抱き枕になってよケイイチ君」
    「ったく……うるさくて寝れねえのは勘弁しろよ」
    「わかってるよ。それでは、観測者の諸君! オレとケイイチ君のスヤスヤ動画で癒されてくれよな。じゃ、おやすみ~!」
    『レイメイ君、ケイイチ君。おやすみ。良い夢見てね』
    『おいコラ! 配信のキーワードがまだだろ!』
    『イヤーッ! レイ君、私といっしょに……』
    「うるせーからミュートな」

     音声をオフに切り替えた後、ベッドに潜り込んだ二人は互いの温もりを感じながら穏やかに熟睡し、画面の向こうでは腐女子の観測者だけが食い入るようにいつまでも二人を観測し続けていた。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works