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    northsnow3891

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    northsnow3891

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    マスターのことが心配でたまらないロビンのロビぐだ♀

    #ロビぐだ子
    lobbyGudako
    #森りつ

    焦る、その理由「今日も無事に帰ってこれてよかった」
     資材調達から帰還した立香が伸びをしながら呟いた。人理が焼かれてしまった今、資材を真っ当なルートで調達できない。加えてカルデアはギリギリの人員で回っている上、レイシフト適性を持つのは立香のみだ。移動可能な時代にサーヴァントを引き連れて必要な資材を回収するのも立香の役割となった。
    「作戦行動に集中して欲しいところだけれど、背に腹は替えられなくて…」
    「なに、サーヴァントを扱う実地訓練だと思えばいい。実践に勝る練習はないからね」
     申し訳なさそうに告げたロマニと裏腹にダ・ヴィンチは明るく目配せしていたことを思い出す。確かにダ・ヴィンチの言う通り、小規模な戦闘も発生する資材調達は実践にうってつけだった。
    「オタクもだいぶ危なげなくオレたちを使えるようになったんじゃないですか」
     調達した資材を両手に抱えたロビンフッドが立香に向けて薄く笑う。立香がサーヴァントの使役に慣れない頃から借り出されているので発言には実感がこもっていた。
    「そりゃあ、最初に比べればね…我ながら酷かったと思うよ。焦ってばかりで」
     実力不足を誰よりも痛感している立香が眉を下げながら返した。
    『それでもだいぶマシになった』という本人の評価はカルデアの総意でもある。
     そもそも魔術師でもない人間を『人類最後のマスター』と担ぎ上げ戦場に放り込まざるを得なかったのだ。この状況下で立香は相当努力して、それが実を結びつつある。 
    「そう言えばロビンは最近、焦ったことは?」
    「…何も」
     ふと、本当に何気なく興味が湧いたからくらいの軽さで質問した立香にロビンフッドが少し間を空けて答える。思い当たる節があるからこその間は、それでも不自然には思われないだろう。
    「グリーンのは知ってるよ」
     明るい声にロビンフッドと立香は揃って振り返った。話に割って入ったのはいつの間にか二人の背後にいたビリー・ザ・キッドである。
    「なになに?」
     興味津々な様子で尋ねる立香の横でロビンフッドは『余計なことを言うな』と言わんばかりに鋭い視線を向けるが、ビリーはどこ吹く風と言った顔で話を続ける。
    「この前、マスターが大怪我して帰ってきた時に面会謝絶の医務室の前でうろうろしてた」
    「えっ」
     ビリーの言葉に立香が驚きの声を上げた。立香の反応にロビンフッドは手で顔を覆いたくなったが、あいにくと両手は塞がっている。
    「あとは本人に訊くといいよ」
     にっこりと笑ってビリーは踵を返した。
    「あの野郎…」
     言いたいことだけ言って去った悪友の背中に向けてロビンフッドは毒づいた。爆弾を落とすだけ落として後始末をしないのだからこれくらいは許して欲しい。
    「…あの、ご心配をおかけしたようで」
     妙に改まった口調で立香はロビンフッドを仰ぎ見る。
    「わかってるんですけどね、オタクがそういう人間だってことは! オレが心配するかどうかはオレの勝手ですからね! …心臓に悪いんであんまり無茶しないでくださいよ」
    「はい」
     ビリーの暴露を否定できないロビンフッドが一息に捲し立てると立香は勢いに圧し負けるように一言だけ発して頷いた。
     あまりの恥ずかしさに宝具を使って消えたかったが、照れ隠しの為に宝具を使うのを禁じられているロビンフッドはその場から動くこともできずに通路の天井を仰ぎ見るしかなかった。
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    Lemon

    DONE🎏お誕生日おめでとうございます。
    現パロ鯉月の小説。全年齢。

    初めて現パロを書きました。
    いとはじイベント参加記念の小説です。
    どうしても12月23日の早いうちにアップしたかった(🎏ちゃんの誕生日を当日に思いっきり祝いたい)のでイベント前ですがアップします。
    お誕生日おめでとう!!!
    あなたの恋人がSEX以外に考えているたくさんのこと。鯉登音之進さんと月島基さんとが恋人としてお付き合いを始めたのは、夏の終わりのことでした。
    一回りほどある年齢の差、鹿児島と新潟という出身地の違い、暮らしている地域も異なり、バイトをせずに親の仕送りで生活を送っている大学生と、配送業のドライバーで生活を立てている社会人の間に、出会う接点など一つもなさそうなものですが、鯉登さんは月島さんをどこかで見初めたらしく、朝一番の飲食店への配送を終え、トラックを戻して営業所から出てきた月島さんに向かって、こう言い放ちました。


    「好きだ、月島。私と付き合ってほしい。」


    初対面の人間に何を言ってるんだ、と、月島さんの口は呆れたように少し開きました。目の前に立つ青年は、すらりと背が高く、浅黒い肌が健康的で、つややかな黒髪が夏の高い空のてっぺんに昇ったお日様からの日差しを受けて輝いています。その豊かな黒髪がさらりと流れる前髪の下にはびっくりするくらいに美しく整った小さな顔があり、ただ立っているだけでーーたとえ排ガスで煤けた営業所の壁や運動靴とカートのタイヤの跡だらけの地面が背景であってもーーまるで美術館に飾られる一枚の絵のような気品に満ちておりました。姿形が美しいのはもちろん、意志の強そうな瞳が人目を惹きつけ、特徴的な眉毛ですら魅力に変えてしまう青年でした。
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