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    nmc29bananaxxx

    @nmc29bananaxxx

    君と篤に飢えた妖怪
    なんでも食べる
    絵とSSS無節操にぽいぽいする

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    nmc29bananaxxx

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    色々出る前に妄想しとこうぜ

    めごこ「お、ここにもあんのか」
     買い出しに来たスーパーの菓子売り場で、遠野が足を止める。君島もその視線の先を辿ると、地域限定のスナック菓子が並んでいた。
    「へえ、限定ですか」
    「インハイでこっち来たとき買っていったら、ばあさんが気に入ってたヤツ。地元には売ってねえから」
    「ほう……お祖母様想いなんですね」
     君島は特に他意もなく思った通りのことを言ったまでだったが、遠野にとっては意外な発言だったらしく、切れ長の目は大きく見開いた。そしてうへえ、という声と共にくしゃりと顔が歪む。
    「なんか、お前がそういうこと言うの、気持ちワリィな」
    「気持ち悪いとは何ですか、失礼な人ですね」
     また詮無い言い合いが始まりそうだったところで、遠野のスマートフォンが着信を知らせた。
    「……噂をすればだ」
    「おや、お祖母様ですか。どうぞ、出て差し上げてください」
     遠野は微妙にきまり悪そうな表情を見せたものの、ディスプレイをタップする。
    「もしもしばあちゃん?あ?どんだんず?普通だよ。……え?おだつなって?してねーよ!」
     君島にはまったくの外国語に聞こえるが、どうやら遠野は祖母の言ったことを反復しているらしい。声の調子はいつも通りだが、そのアクセントといい醸し出す雰囲気といい、家族と話しているせいか普段より棘がないように感じられる。
    「……何ニヤニヤしてやがる」
     電話を切った遠野は、君島を見るなり怪訝な顔をした。
    「いえ……遠野くんも、お祖母様にとってはかわいいお孫さんなんだなと」
    「ハァ?」
     眉を顰めると、遠野は買い物カゴにスナック菓子を二つ三つ放り込み、どかどかと大股でレジに向かった。その後ろ姿に苦笑いすると、君島も同じものを一つ、自分のカゴに追加したのであった。

    End.
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    nmc29bananaxxx

    MEMO📕のアレ 月+篤 ちょっと🗼🗼匂わせ
    さして興味はない、が 目当ての本を無事購入し、越知は都内の街並みを歩いていた。ふと、特大広告が目に留まる。
    (君島か)
     近頃の君島は芸能人としての人気がますます高まっているようで、そこかしこで彼の姿を見かけるのだ。相変わらず活躍しているようで何よりだと思いながら、スマートフォンを取り出してカメラを起動させた。
    (……悪くない)
     人が写り込むことも、光の反射が入ることもなく、なかなか良い写真が撮れたのではないか。だからと言ってどうということもないが。スマートフォンをポケットにしまい、また足を進めるとカフェが目に入った。少し休憩でもするかと、店内に入りコーヒーを注文する。
     一息ついたところで、先ほど撮った写真を思い出した越知は再びスマートフォンを手にし、トークアプリを起動させた。通知の一番上にあるトーク画面に、写真を送信する。ほどなくして『新しいCMのやつですね!めっちゃかっこいいです!』という返信と、キラキラと目を輝かせるうさいぬのスタンプが送られてきた。越知はこうして、君島を慕う後輩のためにときどき写真を送ることがある。そのたびに良いリアクションを返してくれるから、口角も上がってしまうというものだ(喩えそれが誰にも気づかれない程度だとしても)。
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