恋は稲妻家が、無くなった。
朝起きて、学校に行って、今帰宅。
時間にして約10時間の間に我が家は旧我が家になっていた。
【売地】と看板までご丁寧に建てられたのを目にして、僕は一瞬これ夢かなと思って。
人間、唐突に理解できないことに直面すると現実を受け止められないと身を以て体験したわけである。
「えっ・・・・ええ・・・・?」
周りを見渡しても、間違いなく朝まで住んでいた僕の家。
産まれてから今日この日まで過ごした家を見間違えるわけもなく、闇ノシュウ18歳は夕暮れの中途方に暮れたのだった。
とにかく売地と書かれている以上、この家には入れないのだと、思う。
どこかに不動産の連絡先でも書いてないかな、誰かそれらしき人はいないかな、と看板を裏から覗いたり、あてもなくうろうろしてみたり。
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