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    ぽわみ

    @i_m_powa

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    ぽわみ

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    文字書き練習もかねて。芸で頒布するやつにねじ込みたい。NOT CPの自ユニSSのプロローグ。

    ##TSマイキャラ

    プロローグ:HAL「将来の夢」。苦手な言葉だ。特に熱中してることもやりたいこともない俺には、「これで大人になったら生きていきます!」と宣言できるものもなかった。多分俺の考えすぎなんだろうけど。大人は「もっと夢を持ちなさい」って言うくせに、こちらがいざ夢を語ると「現実を見なさい」って言ってくるから嫌いだ。じゃあどうしろっていうんだよ、と思ったが要するに「身の丈に合った」「夢」を探せという事なんだと理解したので、俺は夢を探すのをやめた。中学の卒業文集でも将来の夢を書かされたけど、何も思いつかなかったので当たり障りなく部活でやってた「バスケの選手」と書いた記憶がある。
     アイドルにスカウトされたのは高1の夏だった。人気ゲーム会社のエンジニア、公務員、国際社会で活躍する企業へ…この先何で飯を食べていくのかをクラスメイトが続々と決めていく中で、自分だけがまだ二の足を踏んでいた。焦っていながらなぜ焦るのか答えを探したくて、哲学ならその答えが掴めるんじゃないかと哲学科進学を朧げながら考えて勉強していた時期だった(残念ながらこれは大人の思う「身の丈に合った夢」のレールから大きく外れるので、後々俺は親と揉めるのはまた別の話だ)。社会を良くしたいとか、人生で何を残したいとか、そんなのはどうでも良くて、ただ自分の存在証明の手段が勉強しかなかったんだ。
     その日は初夏で、日差しが眩しかった。夏休みにむけて友達と買い物(といっても高校生なのでどうせ適当にぶらぶらして最後にカフェに行くだけだが)をする予定で、待ち合わせ場所は若者ならみんなが使う有名なオブジェのそばだった。いつもなら時間通りに来る友人はその日に限って電車の遅延に巻き込まれており、ただスマホを眺めながら暫くぼんやりと木陰で待ちぼうけていたところに「ねえ、キミ…」とラフな格好のオトナ———今の俺のマネージャーが声を掛けてきた。
     最初は「…はぁ?」と思った。身長が高い———高校入学時点で185㎝くらいあり、部活動オリエンテーションでは上級生から「男バレ興味ない?!」「吹部どう?チューバっていうかっこいい楽器があってさ~」とめちゃくちゃもみくちゃにされ、結局中学の時からやってたバスケ部に入った———だけで別に目立つ方でもないのになんで俺?って。…いや、それは今も変わらないな。パッとしないしタレ目で目もそんなにデカくないし。モテるって訳でもなくて、告白もされたことはあるけど大体は部活とかクラスとかの仲の良い女子から、いわゆる「友だちのエンチョー」。だからなんで俺なのか分からなかったけど、自分から質問したら褒められ待ちみたいでヤだなと思いまごまごしていると、
    「あはは、なんで俺って顔してるね〜、スマホばっか見てるから気づかないんだよ。ちょっと顔を上げれば面白い景色見れるのに。ほら、今もみんなキミのこと見てる」
    「…そりゃこんなとこで180cm後半のヤツがいたらイヤでも目立ちますよ」
    「自己評価低いな…というより偏屈なのか?私はそうは思わないけど。キミは端正な顔立ちしてるよ、大学生?すごく垢抜けてるし」
    「…高1です」
    「高1でこの仕上がり?!世の中すげえな…いやそうじゃなくて未成年か〜〜親御さんともお話ししないと行けないな…」
     後日改めて面談したところ「勉強や部活もあるだろうし、まずは2週に1回のレッスンでモデルから。ゆくゆくはアイドルデビューでユニット相手はこの子を予定しています」とタブレット画面の写真を見せられた。なんでもうユニット決まってんだよ…とちょっと呆れながら少し身を乗り出して覗きこむと、星のように輝く瞳でこちらを見据える、オレンジ髪に独特な水色のアシメメッシュを入れた中学生くらいの少年と目が合った。
     「どう?うちの次期エースだよ、私はこの子のマネージャーもやってるんだ。まだデビュー前だけど”そういう星の下に生まれました~~”って感じだよね、華があるし眩しくて惹きつけられる、アイドルやってる子って『自分だけを見て!』ってのが多いんだけどさ、この子は『僕以外見えなくさせてあげる』って言ってるみたいで目が離させないんだよ、天性のアイドルだよね、贔屓目なしで絶対にトップスターになるしそう思わせる素質がある」
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    ぽわみ

    MOURNINGHALくんがデビューするまでの話。某ボーイズグループのムキムキ担当が初めてのステージで緊張して袖で泣いちゃったのをおふざけキャラくんが手を握って安心させ、それ以降手を握るのがステージ前の二人のルーティンだという話に爆萌えしで自ユニでも見て~~と思い書いた。が、飽きた。気が向いたら完成します。あとこれ別にTSじゃなくてもいい。
    星の引力。 「将来の夢」。苦手な言葉だ。特に熱中してることもやりたいこともない俺には、「これで大人になったら生きていきます!」と宣言できるものもなかった。多分俺の考えすぎなんだろうけど。大人は「もっと夢を持ちなさい」って言うくせに、こちらがいざ夢を語ると「現実を見なさい」って言ってくるから嫌いだ。じゃあどうしろっていうんだよ、と思ったが要するに「身の丈に合った」「夢」を探せという事なんだと理解したので、俺は夢を探すのをやめた。中学の卒業文集でも将来の夢を書かされたけど、何も思いつかなかったので当たり障りなく部活でやってた「バスケの選手」と書いた記憶がある。
     アイドルにスカウトされたのは高1の夏だった。人気ゲーム会社のエンジニア、公務員、国際社会で活躍する企業へ…この先何で飯を食べていくのかをクラスメイトが続々と決めていく中で、自分だけがまだ二の足を踏んでいた。焦っていながらなぜ焦るのか答えを探したくて、哲学ならその答えが掴めるんじゃないかと哲学科進学を朧げながら考えて勉強していた時期だった(残念ながらこれは大人の思う「身の丈に合った夢」のレールから大きく外れるので、後々俺は親と揉めるのはまた別の話だ)。社会を良くしたいとか、人生で何を残したいとか、そんなのはどうでも良くて、ただ自分の存在証明の手段が勉強しかなかったんだ。
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    ぽわみ

    PROGRESS文字書き練習もかねて。芸で頒布するやつにねじ込みたい。NOT CPの自ユニSSのプロローグ。
    プロローグ:HAL「将来の夢」。苦手な言葉だ。特に熱中してることもやりたいこともない俺には、「これで大人になったら生きていきます!」と宣言できるものもなかった。多分俺の考えすぎなんだろうけど。大人は「もっと夢を持ちなさい」って言うくせに、こちらがいざ夢を語ると「現実を見なさい」って言ってくるから嫌いだ。じゃあどうしろっていうんだよ、と思ったが要するに「身の丈に合った」「夢」を探せという事なんだと理解したので、俺は夢を探すのをやめた。中学の卒業文集でも将来の夢を書かされたけど、何も思いつかなかったので当たり障りなく部活でやってた「バスケの選手」と書いた記憶がある。
     アイドルにスカウトされたのは高1の夏だった。人気ゲーム会社のエンジニア、公務員、国際社会で活躍する企業へ…この先何で飯を食べていくのかをクラスメイトが続々と決めていく中で、自分だけがまだ二の足を踏んでいた。焦っていながらなぜ焦るのか答えを探したくて、哲学ならその答えが掴めるんじゃないかと哲学科進学を朧げながら考えて勉強していた時期だった(残念ながらこれは大人の思う「身の丈に合った夢」のレールから大きく外れるので、後々俺は親と揉めるのはまた別の話だ)。社会を良くしたいとか、人生で何を残したいとか、そんなのはどうでも良くて、ただ自分の存在証明の手段が勉強しかなかったんだ。
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