悠スフィ オズフィガ 新作展示 『雷』 俺はオズの機嫌を空模様ではかるのが、結構好きだった。
あれはいつ頃だっただろうか。よく覚えていないが世界征服真っただ中だったように思う。結構長いこと抵抗していた街を一つ落として、俺は上機嫌だった。酒でも飲もうか、なんて話になって、オズと二人で酒を飲んでいたのだ。
◇◇◇
「あそこが落ちればあの辺一帯はもう手に入ったも同然だね」
「そうか」
「いや~、いい達成感」
「そうだな」
相槌しか返ってこないが、大昔を考えれば相槌が返せるようになっただけでも成長したというものだ。俺は機嫌良くグラスを傾けていく。今日調達してきた高い酒を、一本いくらの安酒のように空ける。
「久しぶりに手応えのあるところだったね」
「ああ」
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