言葉にするのは恥ずかしいのだが……愛しの妻がお腹を痛めて俺達の愛の結晶を産み落としてくれた。
柔らかく小さい、彼女と同じ灰色で……。勿論、たくさん酸素を吸って泣くために体全体を少し赤くしているその姿もとても愛おしくて思わず俺は目を細めた。
「ダークに似た足の色にぼくとダークの目の色が片目ずつに入っていて………ぼく…とっても嬉しいよ……。」
産後数日が経ち、お手伝いしてくれていた者たちも城に戻り家族一緒に過ごす事になった初日のこと。
少し落ち着いたシャドーがそう言いながら慈愛のこもった目で赤ん坊の事を見つめると、同じく落ち着いて横になっていた赤ん坊がシャドーの気配を感じたのかにこりと笑った。
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