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    帽子🎩

    @yonsure1010

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    POIPOI 6

    帽子🎩

    CAN’T MAKE吸血鬼4ス書こうと思ってたけすぐにイチャイチャさせちゃって続きが思い浮かばなくなったので放置してた話
    生贄にされると思っていたら優しいご主人様に溺愛されて私は幸せです〜村の皆さんごめんなさい〜「ひっ……!」
    血のように赤い髪をした女──スレッタは、烏が木から飛び立つ音に肩を大きく跳ねさせた。
    森の中には一本道があった。それをただただ真っ直ぐにスレッタは進んでいる。不思議なことに、烏はいるのだが、他の鳥や動物の気配が感じられない。カアカア、ガアガア、と喚く烏の声以外は、スレッタが砂利を踏みしめる音と、恐怖から鳴る心臓の音だけがスレッタの耳に響いてきていた。木々の爽やかな香りは、冷たい風で打ち消されている。
    (どうしてお昼なのにこんなに暗いの……)
    お化け屋敷が怖いのは暗いから。そう考えスレッタは朝に家を出、その屋敷に向かうことにした。そもそも真夜中に挨拶に赴くのは失礼だと考えていたのだ。しかし、今は懐中時計すら見えづらいほどに、辺りは暗い。辻馬車を捕まえることも考えていたが、億劫だったのだ。屋敷にすぐに辿り着きたくない、という思いから徒歩を選んだ無駄な抵抗は、間違いだった。無駄に怖い思いをしただけに終わった。
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