好きだ「お前の愛の形は、私のものとよく似ている」
月明かりのない新月の夜、隣で眠る男は不意に呟いた。
「そうですか……」
「ああ、そうだ」
情緒もへったくれもない、獣同士の交合のあとだった。月島は、隣の男の体を手拭で十分に清め、彼の衾に潜り込んでいた。欲の発散だけのつもりが、もう数えきれぬほど事後の共寝をしている。それが“普通”となってしまった。今更それを変えるのは、その行為に意味を見出しているようで出来なかった。
「なあ、月島……」
鯉登の掌が、月島の頬に触れた。そこから、目尻、耳、輪郭を順番になぞっていく。
「つきしま……」
軍人とは思えぬ柔い音色だった。
親指が月島の下唇に触れた。はっとして鯉登の瞳を覗き込む。
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