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    メネリァン

    今頃義弟も似たような事になっているだろう「明日の午後は出かけますから空けておいてくださいね」

    そう告げたメネラの顔はまるで蝋燭に火を灯したかのようにぱぁっと明るくなった。
    普段は当日出かける支度をしている私に慌ててついて来ることが多いから、前日とはいえ誘うこと自体が珍しいのだ。

    「リァンさんが誘ってくれるなんて嬉しいな、デートかい?」
    「そう言って差し支えないかと。とあるオークションに参加するんですよ。珍品から名品までピンキリの大型のオークションで、目当てがあるものですから。貴方もそういう催しは嫌いではないでしょう?」
    「そうだね、興味あるよ」

    好奇心の強い彼のことだからそう言うと思っていた。つまりこの時点でメネラは私とヴァレーリオの共同計画にハマっていたことになる。

    「それでは明日、くれぐれも寝坊しないように。おやすみなさい」
    「もちろんだよ、おやすみ。良い夢を」

    メネラは私を軽く抱きしめて、頬に触れるだけのおやすみのキスをしてから足取り軽く自室に戻っていった。
    オークションがよほど気になったのか、私が珍しく声をかけたからかはわからないが、いつもよりにこにこと上機嫌だったのは私としても満更でもない。
    今回は彼に満足してもらうのも私のタスクに入っているからだ──とはいえ彼は私に関することであればなんでも喜ぶ節もある。
    まあそれはさておき。
    私も髪留めをはずし、一日中圧迫されて癖のついた黒髪を下ろしてから眠る準備を始めた。





    翌日。午後一時。
    太陽の国の大規模オークション会場にて。

    「リァン!メネラさん!久しぶり、今日楽しみだね!」
    「ご無沙汰しております」
    「ええ、ごきげんよう」
    「ヴァレーリオさんとロンツォさんもいたんだね、久しぶり……」

    会場の入り口にはいかにも金を持て余していそうな富裕層が集っていた。
    会場入りする人々の波から少し外れたところに目立つ金髪と茶髪の二人を見つけたので合流する。メネラにはヴァレーリオとロンツォが来ることはあえて伝えなかった。
    この後の計画のために少し落胆して欲しかったのだ。平静を取り繕ってはいるが、この反応からしてそれも成功したらしい。
    二人きりを想像していたのだろう。ヴァレーリオもメネラの言葉尻に微妙に滲んだ感情を読み取ったらしい。

    「あれ、ひょっとして二人きりだと思ってた感じ…?」
    「伝えていませんでしたね」
    「ちゃんと言っといてよ、ごめんねメネラさんデートの邪魔して」
    「ああ、いや、気にしないで」
    「でも本日はヴァレーリオの金でオークション欲しいものなんでも買い放題です」
    「そうだよ〜」

    人好きのする笑顔で指を二本立ててVサインを作っているヴァレーリオをよそに、ロンツォが割り込んで訂正する。

    「違うだろ。正確には予算に限度はありますが、先生に出品される品物の目利きをしてもらうこととの等価交換です。桁外れに高いものでなければ、欲しいものは好きに競り落としてもらって構いません」
    「つまりリァンさんの知識を頼りにまたヴァレーリオさんが豪遊してるんだね」
    「そうなりますね」

    ちなみに、とロンツォが耳打ちした予算を聞いたメネラは目を見開いて「実質買い放題じゃないか!」と驚いていた。

    「さ、説明も済んだところで中に入ろうよ。目録も出てるし早くリァンの話も聞きたいからさ」
    「俺もリァンさんの解説興味あるな」
    「実際見てみないことには分かりませんがねえ……」
    「ではこちらへ」

    ロンツォに先導してもらい、指定の席に着く。
    席はロンツォ、ヴァレーリオ、リァン、メネラの順だった。
    ホール内では開始を楽しみに待っている人々のざわめく声が響いている。
    いかにも金持ちのような者から、一般人まで幅広く足を運んでいるようだ。

    「メネラ」
    「なに?どうかしたのかい?」
    「良いことを教えてあげましょう。このオークションにはいくつか魔道具の出品がある」
    「うん、それで?」
    「このオークションに慣れている賢い人間は魔法使いを連れて来ますが、魔法使いは人間嫌いが多いですから。雇えなかったのか、知らなかったのか、連れていない人も半数ほどいます。つまり、半数は魔道具に対する目利きが甘い」
    「それってひょっとして……」

    勘の良いメネラはおおよそ察しがついたらしい。
    メネラの口角が悪戯を思いついた子供のように弧を描くように上がる。

    「今回この並びであれば私たちはヴァレーリオの連れてきた鑑定士のような扱いを受けるでしょう。まあ間違っていませんが。そんな私たちがガラクタ同然のものに高額ふっかけた場合、知識のない人間はどうすると思います?」
    「良い品物だと思って乗っかって、大損ってわけか。リァンさんがただオークションに買い物だけしに来るとは思っていなかったけど、目利きの他にそんな面白そうな事してたなんて」
    「フフ、ついでに資金の底を尽くことができれば、目玉商品の強豪相手も減らせるというおまけ付きです」

    メネラは私から見れば目立った悪人ではないが、しっかり悪意を持っている。
    特にこういった金だけ持ってる馬鹿をおちょくるような平和な悪巧みの遊びにはのってくるタイプだった。
    昨日の純粋にデートを楽しみにしていた笑みとは違い、少し悪い笑みを浮かべてオークションの始まりを楽しみにしばし歓談した。

    会場にブザー音が鳴り響き、進行役の男がオークションの開始を宣言する。






    結果として、ヴァレーリオ達はリァンの目利きのもと気になっていた商品は全て手に入れることができた。
    当のリァンも気になる品物をいくつか手にしていた。
    メネラもいくつか気になるものを購入したらしい。

    「リァンさん、あのやたら恰幅の良い男にとんでもないものをとんでもない額で買わせたね?」
    「ハハ!彼にとってはそれだけの金額を出せるほどの興味を引いたのでしょうよ」
    「見ていて笑いを堪えるのが大変だったよ!」
    「楽しんでもらえて何よりですよ」
    メネラと話しているところに、支払いや荷物の配送関係を済ませたヴァレーリオとロンツォが戻って来る。
    私の分とメネラの分はまとめて自宅に送ってもらう手筈になっている。

    「先生、メネラさん、本日はご足労いただきありがとうございました」
    「構いませんよ」
    「俺はなにもしてないしね」
    「やっぱりリァンってすごいね、オペラグラス越しでも良し悪しが一目でわかるんだもん。メネラさんも!」
    「リァンさんほどじゃないけど、文具とかには自信があるよ」
    「筆記具を買ってたもんね、あれも綺麗だったな」

    会場付近の人もまばらになってきて、オークション会場が畳まれ始める。
    ヴァレーリオはまだまだ話し足りないという様子だったが、その後別の予定があるとかでこの場は早々にお開きとなった。
    その帰り際。

    「あ、そうだ。メネラさん誕生日おめでとう!俺とロンツォからちょっとしたディナーのプレゼントがあるから楽しみにしてて、場所はリァンが知ってるから!」
    「精査を重ねて選んだレストランですので、お口に合えば幸いです」
    「あ、ありがとう!何から何まで……」
    「いいのいいの!それじゃあ、またね!」
    「失礼します」
    ぺこりと頭を下げて二人組は車を停めたであろう場所まで歩いて去っていった。
    メネラはそれをある程度見送るとこちらに視線を向けた。
    「リァンさん、ひょっとしてさ……俺の誕生日って知っててデート誘ってくれた?」
    「半分正解、半分不正解と言ったところでしょうか。オークションの日付的に先約はヴァレーリオでしたが、誕生日であることを思い出して貴方を誘ったのは間違いありません」
    「ヴァレーリオさんが先かあ。でも誘ってくれて嬉しかったよ。すごく楽しかったし」
    穏やかな微笑みで私を見つめるメネラは本当に嬉しそうに笑っていた。
    が、ここで満足されては困るのだ。
    メネラはヴァレーリオが用意したディナーを軽視している。断言できる。油断している今がチャンスだ。
    「今日の感想を語るにはまだ早いですよ、ディナーが残ってますから。ほら、行きましょう」
    手を差し出せば、目を丸くしてキョトンとしたあと破顔して私の手を取った。
    いつもと役目が逆転しているため、なんだか私までおかしな気分になってくる。
    誰かをエスコートしたことなんて今まで一度もないのに。

    しばらく手を繋いだまま、他愛もない雑談をしながら目的地へと向かう。
    ここです、と足を止めて指を刺せばメネラはパチパチと瞬きを繰り返してはホテルの看板を凝視していた。

    「えっと、ここって……」
    「太陽の国でも3本の指に入るシェフのいるレストランですね。なんでも今予約したとしても席を取れるのは半年後だとか」
    「貸切って書いてあるけど!?」
    「貴方のためにヴァレーリオが貸し切ってくれたんですねえ〜」
    「えっこのレストランを貸切!?これがちょっとしたディナー!?リァンさん知ってたんだよね!?」
    「い、いいえ?」
    「ちょっと笑ってるじゃないか!」 
    「いやいや、驚くのが見たくて仕掛けるのがサプライズではありませんか」

    それはそうだけどさあ、と驚いたり喜んだり忙しく表情を変えるメネラを連れて中に入る。
    まだるっこしいほどに丁寧な接客を受けながら席に着いた。
    コースメニューはヴァレーリオが私とメネラの好みを伝えてオリジナルで用意してくれたらしい。
    酒もシェフのおすすめに任せて、運ばれてきたものをただ食べていくだけの楽なスタイルにした。
    選び抜かれたワインの注がれたグラスを「乾杯」と傾ければ、メネラも追って軽く掲げる。

    「ヴァレーリオとロンツォのプレゼントはいかがですか?」
    「嬉しいけど驚いたよ。こんな有名店をリァンさんと二人きりで、しかもオリジナルコースなんだろう?あの二人やっぱりスケールが違うね」
    「ヴァレーリオは一度懐に入れた人間にはとことん甘いですからね。貴方も元々は貴族の出なんですから、こういう場は慣れているのかと思いましたが」
    「縁遠くなってからどれくらい経つと思ってるんだい……」
    「フフ、あとで落札した筆記具でお礼の手紙でも送っておいたら喜ぶと思いますよ」
    「ああ、そうするよ」

    有名レストランのシェフの手腕に舌を唸らせながら、数時間かけてゆっくり会話を楽しみながら食事をした。
    普段であれば私は食事に時間をかけることはしないのだが、この場の主賓はメネラであること、この料理も空間も全てヴァレーリオ達のプレゼントであることを考え、全てにおいてメネラが満足できるように努めた。

    最後に出てきたデザートは号数こそ小さいものの、二人で食べ切れるサイズのホールケーキだった。
    プレートの外側にはチョコレートで丁寧に描かれた「メネラさんへ 誕生日おめでとう 親愛なるヴァレーリオとロンツォより」と書かれている。

    「はあ、凝ってますねえ」
    「こんな盛大に誕生日祝ってもらったのいつぶりかな……」
    「我々は長命種ですから忘れがちですが、ヴァレーリオは人間特有の感性を強く持っていますし、本人の気質としてもこういった祝い事は忘れませんからね」
    「もう二人に頭が上がらないよ」
    「ヴァレーリオのやることにいちいち頭を下げていたらキリがありませんよ。さ、堪能したら切ってもらいましょう」
    メネラは十分目に焼き付けた後、ボーイに頼んでホールケーキを食べやすい大きさに切ってもらった。
    4切れほどになって戻ってきたケーキは4分割されても美しく、私のケーキには届かないものの人間のシェフにしてはレベルが高く、食後の紅茶ともよく合うように作られていて美味しかった。
    メネラには余ったら私が食べます、といっておいたにも関わらず、彼も2切れペロリと平らげていた。甘すぎず、甘くなさすぎず、フルーツもみずみずしく食後でもするりと食べれるのは良いチョイスだと思った。

    「お気に召しましたか?」
    「それはもう、十二分に!」
    「それなら結構、ではそろそろお暇しましょうか」
    「うん、ごちそうさま」

    出入り口に向かおうとするメネラを引き留めて、ホテルのエレベーターに向かう。
    「鍵も受け取っているんですよ」
    「用意周到すぎないかい……」
    「彼の傘下のホテルですからね。ちなみに私たちの泊まるフロアもワンフロア貸切です」
    メネラはもう驚き疲れて苦笑いしていた。
    それでも楽しそうな雰囲気は途切れず、そっとグローブを外して手を握ってやれば酒のおかげかいつもより暖かな体温が皮膚を伝って私にも移る。

    エレベーターに乗り込み、目的階層へと着く間。
    しばし無言になるかと思いきや、メネラは言いづらそうに口を開いた。

    「あの、さ。リァンさんからおめでとうって言ってもらってない……と、思うんだけど」
    「おっと、私としたことが失念していました」

    明らかにガァン!と音が鳴りそうなほどとショックを受けた顔が面白くてまた笑ってしまう。
    今日はずっと彼は私の掌の上だ。
    いや、いつもか。

    「冗談ですよ、まだ日付は超えていませんし部屋に着くまで我慢なさい」
    「ん、わかったよ」

    キン、と目的階層に到着した金属音が鳴り、エレベーターから降りて部屋を探す。
    といっても、左右と真ん中にドアが一つずつ三部屋しかないので、迷いなく真ん中の部屋を開錠する。
    最上階の一番良い部屋なんだろうということは一目で察せられた。
    ヴァレーリオは一体この日のためにいくらの損害を被ったのかと思わなくはないが、彼のことだから一日貸し切ったところで痛くも痒くもないのだろう。
    ドアを開けて部屋に踏み入れば、太陽の国の夜景がよく見えるスイートルームだった。

    「良い部屋を用意してくれたものだ」
    「本当だね、一泊だけじゃ使いきれないくらい部屋がある。ミニバーまであるよ!」
    「飲みたければ好きに飲んで良いそうですよ。ルームサービスの類も好きにしろと聞いています」
    「ええ、ビンテージのウィスキーまであるよ……」

    どうやら酒のラインナップまで一流らしい。
    ベロベロに酔っ払われても困るので、ここらで私のとっておきを披露することにする。
    ヴァレーリオにオークション会場から一つだけホテルに輸送してもらった一品だ。
    ミニバーを漁っているメネラの背中に声をかける。

    「メネラ」
    「ん?」
    「誕生日おめでとうございます」
    「あ……ありがとう、すごく…その、嬉しいよ、今日何回も嬉しいって言ってるからあれだけど、本当にリァンさんに祝ってもらえるのが一番嬉しい」

    もはや泣き出しそうなメネラに手招きをして大きな包みの前に立たせる。美しい包装紙に包まれているわけでもないそれにメネラは不思議な顔をしていた。

    「こちらがプレゼントです」
    「ありがとう、開けても構わないかい?」
    「どうぞ」
    包みを剥がして箱を開けて、さらに包みを剥がしてを繰り返し、やっと出てきた革製のケースを開けると、そこには一挺のチェロが鎮座していた。
    「あ、これってオークションに出てたやつ、だよね?」
    「ええ」
    青色に黄色の花のあしらわれた模様が美しいチェロが一挺。金色の縁取りが施されており、ビンテージなのか少しの塗装のはげすらもその美しさを際立たせている。
    私に楽器の良し悪しはわからないが、なんとなく良いと思ったから購入したものだ。
    今回のオークションの最後の目的はこれを買うことだった。

    「魔道具ではあるもののほとんどただの綺麗なチェロなんですが、私が動いた事により予定より価格が釣り上がってしまって少し困りましたよ。でも無事に手に入った。貴方が受け取ってくれないと困るのですけれど?」
    「も、もちろん!返せって言われたって返さないよ!本当だ、間近で見るとより綺麗だね」
    「ええ、貴方に似合うと思いました。今ここで弾いてみて─と言いたいところですが、それは明日屋敷に戻ってからのお楽しみという事で」
    「そうだね、そうするよ」
    ここで弾かれては私がメネラの弾く音で毎回眠り込んでいることがバレてしまう。
    正直バレているような気はしているが。

    「以上で、私とヴァレーリオ、ロンツォによる貴方のお誕生日会のプログラムは終了となります」
    「ありがとう、本当に幸せな1日だったよ。最初はヴァレーリオさん達もいるって知らなかったからびっくりしたけど、レストランからホテルまでこんなサプライズ用意してくれてるなんて予想できっこない……」
    「意表を突くのが目的ですからね。この企画のほとんどはヴァレーリオ持ちですが、あのチェロだけは違いますから、そこのところ勘違いしないように。流石に私からのプレゼントを他人に買わせるほど非人道的ではありませんよ」
    「はは、そんな失礼な勘違いしないよ。リァンさんが俺の為にこんなにいろいろ考えて、プレゼントまで用意してくれたことがもう嬉しくてたまらないし、このチェロもずっと大事にするよ」
    「魔道具ではあるので何が起こるかは保証できませんので悪しからず」
    「あはは……悪いことが起きないと良いんだけど」

    「せっかく良い気分ですし」とワインセラーを開けて、グラスを二つと良い感じのシャンパンを手に声をかければ、メネラも「いいね、飲み直そうか」と夜景のみえる窓際であらためて乾杯をした。

    「今年でいくつになるんですか?」
    「えー、もう数えるのも面倒で覚えてないよ。950…いくつかな」
    「人間は誕生日ケーキに年齢の数だけ蝋燭を立てるそうですよ。もちろん年齢一桁代の子供の頃までの話ですが」
    「魔法使いの年齢の数蝋燭を立てようとしたらケーキが穴だらけになるね」
    「そうですね。ヴァレーリオは当初立てる予定だったようですが。私とロンツォの二人がかりで止めました。メネラはそんなに若くない、と」
    「そんな年寄りみたいな言い方……そうだ、日付が変わる前に一つだけわがまま言っても良いかな」

    ほんのりと酒で赤く染まった顔が、普段よりメネラの印象を幼く見せる。
    夜景の光が反射してきらりと琥珀色の瞳が輝いた。

    「どうぞ?」
    「明日でいいから、リァンさんのチーズケーキが食べたいんだ」
    「おや、予約殺到人気爆発中のレストランのケーキはお気に召しませんでした?」
    「いやいや、あれはあれで美味しかったよ。でもやっぱりリァンさんのが食べたいなあって思っちゃって」
    「ま、スイーツに関しては私の技術の方が上でしたからね。」

    彼の言うわがままに、なんだそんなことかと思ったのは胸の内にしまっておく。
    知り合った当初から彼は私に対してわがままと言うほどのわがままを言わないのはわかっていた。
    この可愛らしいお願い程度ならお安い御用だ。

    「構いませんよ。950…いや1000本の蝋燭を立てても崩れないチーズケーキを作って見せましょう」
    「蝋燭は良いから!普通ので!」
    「冗談ですよ」
    「リァンさんならやりかねないよ…」
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