Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    km_nm_nk

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 1

    km_nm_nk

    ☆quiet follow

    一般人をさにわに勧誘する薬の話
    修行出す前に書いてたけど微妙に解釈違いになったので供養 気が向いたら続きを書く

    死出の旅 死のうと思った。朝日があまりにも眩しかったから。
     朝起きて、自然とそう思えた。今日の朝日が特別眩しかったわけでも、いつもの朝日がくすんでいたわけでもない。ただ、今日しかないと思ったのだ。そもそも死ぬ理由がなかったからここまで生きていただけなのだ。窓から差す日が目に染みたことを理由に死んだって何の問題も無いはずだ。
     最低限の遺書を書いてから、必要そうな周辺整理をする。といっても私には頼れるような親族はいないし、態々家に来るような友人もいない。全く持って意味の無い行為だ。まあ、してしまったのだからいいだろう。もしかしたら、誰かが読んでくれるかもしれないし。
     質素な最期の晩餐を済ませると、私はベランダに出た。高層階住みなんて外に出るのに不便なだけだ、なんて思っていたけど。まさかこんなところで役に立つとは。最期の最期に、自分の部屋に感謝した。
     心残りなんて何もない。寧ろ、ここで生きてしまった方が心残りだ。私は大きな深呼吸をしてから、足元の台に乗った。そしてベランダの手すりに足を掛けると──。
    「よっ……、と」
     私の手元に、ひらりと誰かが舞い降りた。顔を上げてその人を見ると、その少年は慈愛のような笑みをこちらに向けていた。
    「……え、誰!?」
    「よう大将」
     


     生きようと思った。死神が私を殺してくれるまでは。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works