これが地獄なのだとそう悟った。人間世界とバリアン世界とアストラル世界の均衡が壊れ始めた。俺は凌牙を取り戻すために、デュエルをした。
そして負けた。分かっていたのだ。運命とは皮肉なものだ。
「先に地獄で待っているぜ」
そう彼に別れを告げ、自分は死んだはずだった。
目を開けると、見慣れた街並みが視界に入る。それはバリアン襲来により、失われたものだった。
もし生きていたのなら自分の体はデュエルのダメージとRUMと紋章の力を使って、CNo.にランクアップさせたせいで、ボロボロであったはずだ。
それに俺は目の前で遊馬のために挑んで行った仲間が光の粒となってバリアンが生み出した光のタワーに吸収され、死んでいったのを見た。
だから、もしそうであるのならこれが地獄であるしかないのだ。
846