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    @o_juju_Pd3fJ

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    転生オメガバ悠脹

    ザクザク書いてるので間違い多々有り

    転生オメガバゆちょ2今度一緒に映画でも観に行きませんか?

    脹相は悠仁からのメッセージをかれこれ3時間は眺めている。返信に悩んでるいるのではない。返信なら直ぐに二つ返事で済ませてある。彼はメッセージアプリでずっと焦がれていた人と繋がっているという充足感に浸っているのだ。
    聡い壊相に話しかけられるまで、リビングのソファでずっとスマホを眺めていた。

    「そんなに気に入ったの?兄さんのお眼鏡にかなう子なんて珍しいね」
    「うん、俺はこの子がいい」
    「一目惚れじゃん、どんな子?年下なんだっけ?」
    「血塗の一つ下だったか……優しくて明るくて良い子だ、器の大きい男なんだ、物事を絶対に諦めない子で……」
    「まだ一回しか会ってないのにそんなに分かるの?」
    「む……いや……そんな感じがした」

    脹相は照れ隠しに唇を尖らせる。壊相が、返信はもう少し焦らして、とかデートの服装は自分が決めてあげると色々と世話を焼いてくれる。
    前世でも次男は脹相に対する面倒見が良かったと思い出す。あの狭い瓶の中で、甘えん坊の弟達にずっと声をかけ続けていた脹相を一番気にかけてくれたのは次男の壊相だった。
    こういう場面ではよく、魂が一緒だと感じられるのだ。

    デートの日はすぐに訪れた。脹相は楽しみに待つ日々も愛おしく感じていた。何の映画を観るかは悠仁が決めてくれるらしいので、ディナーは何を食べようか、映画が終わったらどうしようかとずっと考えていた。
    待ち合わせ場所では悠仁が先に居て、脹相の記憶にあるよりも高い目線から待ち人を探している。彼は身体を動かすことが好きで、いつも動きやすい服装を選んでしまうが、この日はさすがにお洒落をしている。靴と上着と腕時計の色味を合わせ、あとはブラックでまとめて。これは友人がくれたアドバイスを元にコーディネートをした。かく言う脹相も、肌の白さを際立たせるから、と壊相にブラック中心にまとめられ、長めの髪は後ろで緩いお団子に結われ、前髪も頬骨にかかるようにセットされている。
    脹相を見つけると、悠仁は照れたようにはにかんだ。

    「待たせたか?」
    「全然!この間は着物だったけど、洋服もいいですね、俺も黒いからお揃いみたいだ」
    「そうだな……。あの、口調は崩してくれて構わないぞ、その、崩して貰った方がいい……」
    「そう?じゃあ遠慮なく」

    脹相には悠仁の視線が眩しすぎて、直視出来なかった。心臓はずっとバクバクとうるさいし、顔が火照る。よく知っている相手のはずなのに、全く知らない人のようで、しかももっと知りたいと思う。今どんな仕事をして、何が好きで、どんな友達がいて……。そこで脹相は壊相のアドバイスを思い出す。がっついてはダメだと。こちらが年上なんだから落ち着いて包容力のある恋人のイメージで。と。
    脹相は深呼吸を繰り返し悠仁の隣を歩く。
    先程から、今から観る映画について本当に何でもいいのかとしつこく聞いてくるのに、何度も大丈夫だ、と返している。おそらく今の自分には映画の内容は頭に入って来ないだろう。脹相はそう踏んでいた。が、結局観たのはミミズ人間4というミミズの化け物が出てくる映画で、デートで観るようなラブロマンスからは程遠い、ジャンルの分類にも悩むような内容で、その上悠仁がラストでボロボロ泣くものだからやはり内容は頭に入って来なかった。
    二人は映画館から出ると脹相が悠仁の涙を拭ってやっていた。

    「はーごめん、俺あの映画好きでさ、いつもラストで泣いちゃうんだよな」
    「家族愛がテーマだからな、悠仁は優しいからそういうのに弱いんだな」
    「優しいかなあ?脹相はあの映画どうだった?」
    「正直よく分からなかったな……多分、兄弟愛がテーマなら俺も泣いていただろう」
    「そっか、弟さん居るんだっけ、俺一人っ子だからお兄ちゃんって憧れるな」

    何気ない悠仁の一言に、脹相の涙腺がぐっと弛む。涙が零れないように、悠仁から顔を背け上を向くのに、悠仁が気に触ったかと不安気に聞いてきた。

    「何でもない。悠仁は弟みたいで可愛いなと思って」

    脹相は悠仁を安心させようと口にした言葉だが、壊相のアドバイスを思い出して、しまった、と唇を噛んだ。年下だからって小さい子みたいに扱ってはダメ、相手の自尊心を持ち上げてあげないと。

    「す、すまん……い、今のは、そういう意味じゃなくて」
    「どういう意味よ。はは、まあいいや今はそれで。俺、ちゃんと脹相にパートナーだって認められるよう頑張るよ」

    悠仁はそう言ってあっけらかんと笑うと、脹相の手を引いてデートの続きを始めた。








    「どうだった?」

    壊相が脹相が身に付けていたアクセサリーを仕舞いながら本日の成果を訊ねてくる。脹相にアドバイスをくれる代わりに、兄の恋愛事情を聞きたいらしい。脹相は今日のデートを思い出しただけで顔から火が出るかと思った。

    「……悠仁が、好きだ」
    「分かってるよそれは」
    「初めてだ、こんな気持ちは」
    「兄さん初恋なんだ」
    「何も手につかない」
    「重症だ」
    「壊相、俺はどうしたら……」
    「とりあえず、次会う約束をしたら?あと今日のお礼のメッセージ送って」
    「別れて5分後に送った」
    「早すぎ」

    今日は映画を観て、お揃いの小物を探しに軽くショッピングをして、その後悠仁が予約してくれていたレストランでディナーを食べた。脹相はずっと夢見心地でディナーの味も思い出せない。別れ際交わした会話を思い出す。

    「家まで送るよ」
    「大丈夫だ、俺も武道の心得はある」
    「確かに、強そう」
    「……」
    「……」
    「「あの、」」
    「なんだ?」
    「あー、脹相が良いなら、結婚を前提に、お付き合いしたいな、と」
    「いいのか?悠仁ならもっと選び放題じゃないのか?」
    「脹相がいいなって……俺は思ってるんだけど」
    「俺も悠仁がいい、お前以外居ない」
    「嬉しい、じゃあ、これからよろしく」
    「ああ、こちらこそ」

    自分は上手く返事を出来ただろうか、変な顔をしていなかっただろうか。悠仁の笑顔は何時でも太陽みたいに暖かい、触れ合った手も大きくて力強かった。脹相はそんなことを考えながら眠りについた。
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