水木と目玉の辺獄カラダ探しア、綺麗だなと。
ゲゲ郎は視界に映る自分の相棒を見て、無意識下でポツリ思う。
黴臭い安宿。
水木はボロボロの障子を背景に燭台の横で煙草を吸っていた。半分ほど開かれた障子の向こうの空は気持ちのいい土砂降りで、湿った空気が窓の隙間から畳に落ちて、触れる箇所を冷たくさせる。
ぼんやりと部屋を照らす慎ましやかな光の傍らに座り、大きく乱れた寝巻きの胸元すら正そうともせず。水木は首筋を晒して、いっそ官能的に煙を吐き出す。
部屋に甘い香りが満ちる。それは遠くの記憶にある彼の縁深い匂いとはかけ離れていて、今はその頃とは違うんだと、勝手にショックを受けそうになる。
「……どしたぃ。ゲゲ郎」
こちらに向いた碧眼は、しかし疲労を纏っていた。水木は寝相のようにゆっくりと、煙草を指先に持ったままの手を顎に添えた。
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