・宣誓!【巻千】🦍🐆
「うぉお〜!千早ぁああ!!好きだ〜〜!!!」
夕陽が差込む河原に向かって大声で叫ぶ巻田、そして俺は少し離れ他人のふりをしてスマホを弄る。
「恥ずかしいのでやめてください」
ことの発端は、巻田の確認から始まった。
「なぁ千早、俺がプロになったら恋人になってくれるって言ったよな!?」
高校三年の冬、そろそろ皆んな進路が決まる時期。巻田は栗田を連れて突然この小手指にやってきた。
「……はい?」
巻田が俺の前に突然やってくるのは今に始まったことではない。けれども今回は飼い主の監視がない、動物園の檻から解き放たれたゴリラの如く自由だ。
「そうやってお前がすっとボケると思って、俺は栗田っていう生き証人を連れてきたんだからな!」
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