明日、指輪を買います。「ふみやさん。あなたは、これ以上僕をどうしたいんですか?」
年を重ねても相変わらず筋肉がついた綺麗な背中だな、とふみやが腕枕をして恋人の後ろ姿をじっと眺めていた時のことだった。半分怒っているような呆れて拗ねているとも言えるような口調から、彼の機嫌が良くないことをふみやは察した。伊達に付き合ってないから色々想像はつくけれど。
「……?どう、って?」
俺が社会人になって、会える回数が昔より少ないこと?(今更仕方ないことで天彦も多忙だし)
なら、昨日は気持ちよくなかった?(中で3回以上イったのに?)
それともーーー「ストップ‼︎」
勢いよく振り返って、ふみやの口を両手で押さえ込む天彦。
「はは……夕日とおんなじくらい、真っ赤だね天彦」
1096