自分を食べたかった鳥・雨の中の火
水が地面を叩きつける音を横目にキャップを開けた赤のタンクを頭上に持っていって逆さまにすれば水の音がまた一層強くなる
そのまま何も考えずにライターをポケットから取り出して火をつける
このまま下に投げれば火が自分を取り巻くだろう、それが望みなのに
背後から聞こえる声、これは、確か、ももみぱいせんの声だっけ
焼き鳥ってさ、自分の意思で焼かれる訳じゃなくて他人の力で焼かれるよね
じゃあ俺はなんなんだろう?
変な問いに答えは出ず、そのままライターを落とし、真っ暗な屋上に灯りを灯した
・前世
久しぶりに懐かしい夢を見た、子供の頃からよくみていた夢だ
夢の中の俺は確か、軍事施設にいた、、、と思う、よく分かんないけど
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