背中の跡カツンカツンと背後から誰かの気配がして、キラが振り返った。
「またこちらに居らしてたんですか?キラ様」
「うん……本当に、楽しみで堪らなくて」
その部屋には水槽が何個も並んでおり、一つの水槽に頬を寄せながら夢見るようにキラが言う。
見た目は茶色の髪と紫の瞳をした青年だが、背中には大天使の証である4枚の翼を持っている。
「貴方の初めての部下になるのですから…可愛いのも判りますが。あまり度を越して、愛してはなりませんぞ?」
「判ってるよ。天使には【恋】がご法度な事くらい……でも本当に可愛いんだ」
キラがうっとりと手で触れるその水槽に、黒い髪をした少年が身体を丸めて浮かんでいた。瞳を閉じているのでその色は判らないが、キラにとってはとても愛くるしく可愛らしく見える。
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