遊郭パロホ荼前編(?)「あァ〜……ばり行きとうなか!!」
鷹見啓悟は花街の道の真ん中でそう呟いた。
今日は同じ奉行仲間の連中と宴会の予定だった。上司のひとりが意気揚々と宴会の計画を立てる!と言ったが、今日に至るまで何処で何をするのかを啓悟は知らなかった。今朝出勤した時に伝えられた場所に仕事が終わり次第行ってみると、なんとそこは男女が春を売る───花街だった。計画したそいつが生粋の助平であったことを危惧するべきだった……と啓悟はげんなりした。
見世の格子部屋に座る女は華やかに着飾り、男は今日はどんな女を買おうかと見るからに鼻の下を伸ばしながら吟味している。啓悟はそんな男女を横目で見ながら奉行仲間から伝えられた場所へと歩を進めた。
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