(シンキラ)
雨降る中、共に私服で傘を差して道を歩いていた。
「キラさん。俺、渡したい物があって⋯⋯」
キラの少し後ろを歩いていたシンが、突然そんな事を言ってきた。
振り返ると、ガサゴソとコートのポケットから何かを取り出していた。
片手で差し出されたそれは手のひらサイズの小包。
「⋯⋯開けてみてもいい?」
本当なら雨の降る道で開けるべきでは無いのだろうが、シンからの贈物という事もありすぐに見たくなった。
傘が邪魔で開けずらかったが、どうにか包みを剥がしケースを開けると、中に入っていたのは細身のシルバーのチェーン。
「これ⋯⋯」
「足につけるやつなんです。アンクレット。これなら付けてても邪魔にならないかと思って」
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