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    kaichi_M221

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    kaichi_M221

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    現パロ。堅操R-18

    抱きなれてる堅と、初めての操の話。

    交遊交遊

    どうも、その日はとても居心地が悪い日であった。行きなれていた店ではあったが、まるで初めて入ったかのような違和感を感じていた。受付で時間を指定し、ロッカーに荷物を預け、ロビーへと足を運ぶ。ロビーへと行く間にある個室からは絶えず男の喘ぐ低い声が聞こえてはいたが、どうもそそられなかった。耳を塞ぎたい気分に陥るが、それを振り払い歩みを進める。ロビーには点々と人は居たが、誰も彼も1人だけのようであった。誘い待ちなのだろう。だが、今日は気が乗らない。人に話しかけることすら億劫であった。
     壁へと背を持たれかけた。煙草へと火をつけ、深く吸い込む。人々の舐め回すような視線が痛い。まるで全人類から誘いを受けているような錯覚さえ覚える。鼻にこびりつく煙草の煙の香りと、甘ったるい香水の香りと、それでは打ち消すことが出来なかった精の香り。それらが混ざりあった不快な香りに思わず顔を顰めてしまう。
    来なければよかった。そう思えるほどであった。今日はもう帰ろうか。そう思った頃だった。腕を掴まれ、壁際へと押さえつけられる青年の姿を見た。何か、揉めているのだろうか?ただぼーっとその姿を見ていたが、どうやらそうらしい。青年の嫌そうな顔と、それを押え付ける男の下卑た表情が視界へと入る。…何か、悪い予感がする。止めた方が、いいだろう。煙草を片手に持ち、壁から背を浮かして歩みを進める。小さく口論を続ける2人の元へと近寄った。

     「俺の連れに、何の用だ?」

     青年の肩に手を回し、そう呟く。連れなわけは無い、口から出たでまかせだ。青年の驚くような顔を横目に見ながら、言葉を続ける。

     「手を出すなら、容赦はしないが…どうする?」

     ちっ、と舌打ちをうち、吐き捨てるように阿婆擦れが。と言い男はイラついたようにその場から立ち去った。どうやら、でまかせでも何とかなるらしい。煙草を口元に運び、また吸い込む。こういう事は慣れている、という訳では無いが終わったあとは気が昂るものだ。仕方がない。とんとん、と青年の肩を軽く叩き、何も言わずにその場を離れようとする。が、その行動は青年が手を掴んだことにより阻止された。

     「…なんだ。」
     「…いや、ありがとう。助けてくれて。」

     礼を言わせてくれ。と青年がこちらに顔を向けて言う。先程は暗がりで良くは見えなかったが、整った綺麗な顔をしているのが見えた。綺麗な顔だ。悪い大人に言い寄られるのも無理は無い。

     「いや、大したことはしていない。こちらこそ、でまかせを言って悪かった。」
     「…大丈夫だ。いや、本当に、助かった……。」

     俯きながら、青年が答える。伏せた目の、まつ毛の長さにぞくりと背筋に痺れが走る。なんて官能的な表情をするのだろうか。額に垂れた前髪が、首を撫でつける髪が、ほんの少し開けられたシャツの間から覗く白い肌が、全てが誘っているように思えた。嗚呼、それは狙われるわけだ。ようやく理由がわかった。手を出してしまいそうになる衝動を抑えるために足早にこの場を立ち去ろうとするが、青年は手を離してはくれなかった。もう用は済んだと言うのに、一体どうしたのだろうか。

     「…離してくれないか?」
     「……。」

     言葉に反し、ぎゅ、と手を掴む力が強まる。何か言いたいことでもあるのだろうか。伝えたいことでも、あるのだろうか?青年の言葉を待つ。しばしの静寂が訪れる。いつまでも続くと思われた静寂は青年の言葉に破られた。

     「…私を、抱いてくれないか?」

     ほたり、と煙草から灰が落ちる。まさか、セックスの誘いだとは。

     「何故、俺と?」
     「抱かれるなら、あなたがいい。それにここはそういう場だろう?…頼む。抱いてくれ。」

     切羽詰まったような顔で言われてしまったら、断ろうにも断れない。それに、青年が言うようにここはそういう場だ。誘い、誘われ、流されるように互いを貪るようなセックスをする場。それに、この青年には色気があった。抱きたい、と思わせるほどの色気が。断る理由なんて、初めからなかった。煙草の火を消し、青年の手を取り歩みを進める。空いている個室へと身体を滑り込ませ、鍵をかけた。青年の身体をベッドへと寝かし、覆い被さるように上を陣取る。暗くて表情はよく分からなかったが、顔を横にそらしため息を吐く青年の顔に、怯えと諦めの混じった色が窺えたような気がした。体勢を変えるために体を攀じると、ぎし、と小さくベッドが軋む音がした。あれほど嫌煙していた甘ったるい香りも、こびり付くような精の香りも、この場を盛り上げるための材料でしか無かった。青年のシャツのボタンをひとつずつ外し、さらけ出された肌に触れる。しっとりと吸い付くような、柔らかな肌に興奮が募る。今日は、この青年を抱くためにここに来た。とまで思えるほどであった。下へと手をかけ、脱がしてゆく。青年は、何ひとつとして抵抗をすることは無かった。

     ――――――――――――――――――――――――――――

     煙草へと火をつけ、煙を肺いっぱいに吸い込む。セックス後の煙草は何よりも好きだった。殴り捨てた理性が、少しずつ戻ってくるかのようで。さらけ出されていた本能が、少しずつ隠れていくようで。ちらりと横を見ると、はぁ、はぁと青年が肩で息をしているのが見える。いっちょ前に抱いて欲しいと誘ってきた青年だったが、抱くうちに気づいた。これは初めてのセックスだと。抱かれ慣れてないだけ、だと思っていたが違う。抱かれたこと自体が初めてなのだ。ここには念入りにほぐす材料も時間も無く、痛みを感じてしまったかもしれない。悪い事をした、そう思いながら青年の額にかかる乱れた前髪を指先で退かした。どうやら、思っている以上にこの青年に入れ込んでしまっているらしい。今は、手放したくなくてたまらない。もう少しだけこの行為を楽しんでいたい。そんな気分であった。

     「この後、まだ時間はあるか」

     青年の頭を撫でながら、尋ねる。こくり、と青年が頷きながらこちらを見つめてくる。

     「ここだと窮屈でたまらないだろう。もっと安心できるところに行こう。」

     驚いたような表情を浮かべたあと、また青年が頷く。服を着るように促し、煙草へ口を付ける。覚束無い手つきで服を着る青年の姿を眺めながら、煙草を吸い、煙を吐き出した。
     煙草の火を消し、脱ぎ散らかされた服を着る。明日には皺になってしまうだろうが、構ってはられなかった。明日のことは明日考えればいい。なんせ、時間はまだ沢山あるのだから。もうすっかり服を着終えた青年の手を掴み、部屋を出る。そのままロビーへと行くと、舐め回すような視線が痛くてたまらなかった。青年の肩を抱き、これは自分のモノだ、手を出すなら容赦はしない、と主張するように歩く。…そうすると、その突き刺すような、舐め回すような視線が感じられなくなったような気がした。歩みを止めず店を出る。
    寒空の元、一人の青年の手を引きながら暗い路地裏を歩く。繋がれた手は温かく、人の温もりを感じることが出来た。少し歩いたところにあるホテルを目指し、歩き続ける。その間、会話はなかったがそれで良かった。ほんの少し強く手を握ると、握り返されるのがわかった。
     路地裏を抜けると、明るいネオンが点々と輝くラブホテル街へと出た。とりあえずはどこでもいいから入りたい、手頃な近くのホテルへと歩みを進める。ホテルのロビーに置かれた無機質な端末を操作し、比較的広い部屋を一室取る。しばらくの間居座るつもりであったから、宿泊という形で部屋を取った。青年の手をまた引き、部屋まで歩く。青年を部屋に入るように促し、軽く手を引く。室内は外の寒さと比にならないほどに温かく、ほっと息をつく。広いベッドの端へ青年を座らせ、隣へと腰かける。しばしの間、静寂が流れた。何を話すことも特になく、ただただこの静かな時を噛み締める。そういえば、先程の行為で身体が汚れてしまったはずだ。気持ち悪くは無いだろうか?そう思い、声をかける。

     「先にシャワー、浴びてくるか?」

     こく、と青年が頷きベッドから立ち上がり風呂場へと向かう。しばらくすると、水が壁を叩く微かな音が風呂場から聞こえ始めた。その音を聞きながら煙草に火をつけ、吸う。部屋の中を見て回り、備え付けの道具に手を伸ばしたが、やめた。今回の行為にこれは必要ない。数分経つと、風呂場から青年が出てくるのが見えた。ぽたぽたと水滴を髪から垂らしながら、また先程のようにベッドの端へと座る。タオル越しに青年の頭を軽く撫で、自分も風呂場へと向かう。服を脱ぎ、シャワーの湯を浴びる。火照った身体が冷まされていくようだった。それと同時に頭も冷えるようで、冷静になれるのを感じられる。初めて会った青年とセックスをし、こうやってホテルにまで連れ込んでしまった。見たところまだ学生だろう。未来を潰すようなことはしたくはないが…どうだろうか。それに、迷惑ではなかったろうか?痛くは、なかっただろうか?少しずつ罪悪感が募ってゆく。だが、してしまったことはもう変えられない。汗をシャワーで流し、身体を拭いて風呂場から出る。また、先程と同じように青年はベッドの端に座りこちらを待っているのが見えた。迷わずその隣に座る。やっと、ゆっくり出来る時間が訪れた。そして、気になっていたことを聞くいい機会でもある。

     「…何故、あの場所に?」

     普通の人間ならこんな、所謂発展場と言われるような場所に立ち寄ったりなどしない。相当な何かを抱えてないと、普通の人間はこんな場所に行こうとすら思えない。何か、あるのだろうか?この青年は何かを抱えているのだろうか?
     
    「分からない…。ただ、寂しかったから、なのかもしれない」

     こちらから顔を背け、ほんの少し項垂れながら青年は声を零した。なんて消え入りそうで、儚い声なのだろうか。

     「誰かから、認められたかった。ここにいてもいいと…存在意義を見出したかった。…だが、怖かった…男に抱かれたことはなかったから…。立ち入って、すぐ後悔した。ここは、私がいるべき場所ではないと…逃げ出そうにも、出来なかった…。」

     ぽつり、ぽつりと語るその声は震えていて、本当に恐怖を感じていたというのをひしひしと感じることが出来た。
     可哀想に、辛かったろう。
    宥めるように背中を撫で、青年の言葉を待つ。

     「けれど…初めてが、貴方でよかった。」

     顔を上げ、こちらを見ながら青年が笑う。その顔には先ほど抱えていた迷いはなく、とても晴れやかなものであった。あどけない、歳相応とも思える笑顔から目を離せなくなる。
     ふと、ここまで会話を交わしてきて気づいたことがあった。一時だが深い関係になったのにも関わらず、名前を教えあっていないことに気づいたのだ。

     「…名前は。」
     「…曹操。」
     「曹操、か。俺は…」
     「”孫堅”…だろう?」

     さっき、名刺を見てしまったから。と曹操は付け加えて笑う。どうやら、若いからと言って侮れない男のようだ。大方、風呂に行っている最中にでも盗み見たのだろう。
     会話を交わしていく度に、曹操がまだ大学生であること、親元を離れ一人で暮らしていること、比較的近所に住んでいることなどが分かった。それを語ってゆく曹操の顔には迷いはもうなく、晴れやかで穏やかなものであった。それを見るだけでこちらも何故か嬉しくなる。曹操には迷う顔は似合わない、凛と、前を向く姿の方が似合う。そう、思えた。しばらくの間他愛のない話を重ね、互いの身の内を語ってゆく。曹操の、しっとりと濡れた髪へと手を這わせ、くしゃりと優しく撫でながら本題へと切り出した。

     「もう一度、抱いてもいいか?…今度は優しくする。気持ちよくさせてやれる。」
     「…もう、一度。」

     そう言葉を零し、曹操が俯く。やはり、嫌なのだろうか。いや、そうに決まっている。同性に抱かれるなんて男としての矜持が許さない。失言、してしまっただろうか。慌てて言葉を紡ごうと口を開くが、曹操の方が早かった。

     「…抱いてくれ。あなたになら、いくらでも身体を差し出せる。」

     曹操の身体を優しく抱きしめ、耳元で優しく抱いてやる、と、つぶやく。その声に、曹操は何度も頷いた。
     ――――――――――――――――――――――――――――

     何度目か分からない深い口付けを交わす。曹操は余裕が無いのか、ずっと小さな声を漏らしながら、ただ俺から与えられる快楽に身を震わせていた。その姿がなんとも可愛らしく、守ってやりたくなるほどに愛おしいものに思えた。まだ、たった一度しか抱かれていないと言うのに、こんなに快楽に弱いとは。これから時間をかけて教え込めば、もっと愛おしい姿を見せてくれるかもしれない。そう思うと胸が高鳴るのを感じた。可愛い、愛おしい、守ってやりたい。ただただそのような欲求が芽生えては消えない。目の前にいるこの青年をあらゆる脅威から救いたくて、たまらない。
     服を脱がそうと口付けを辞めると、曹操はまだ物足りないと言うような視線をこちらに送りながらそれに従った。上着を脱がすとうっすらと明るい照明の下に曹操の白い肌が晒されてゆく。まだ、この身体は俺にしか暴かれていない。そう思うだけで興奮することが出来た。さらけ出された首筋に軽く口付けを落とすと、曹操の身体がひくりと跳ねた。この身体は俺のものだと周りに知らしめなければならない。そう思ってしまった。何度か首筋に噛みつき、跡を残してから下を脱がそうと手をかける。すると、曹操がその手を掴んできた。その目には怯えと期待が入り交じった、なんとも言えない色を映していた。

     「…怖いか?」

     こくり、と曹操が頷く。ついさっきのことではあるが、一度抱かれた身であると言うのに、何が怖いのだろうか?抱かれること自体に恐怖を感じているのか、それとも他の事柄に恐怖を感じているのか…聞き出さなければならない。曹操を、守りたい。その一心だった。

     「何が、怖い?」
     「…気持ちよくなるのが、怖い。」

     とても純粋で、可愛らしい回答だった。まさか、そんなことだとは思わなかった。気持ちよくなるのが怖い、と。男に抱かれるのが怖い。痛いのが怖い。というような理由ではなく、与えられる快楽に怯えているとは思わなかった。くす、と小さく笑い、曹操の頭を撫でる。

     「大丈夫だ、怖くない。気持ちよくなるのは普通のことだからな。」
     「…いい、のか?…本当に。」
     「あぁ、沢山気持ちよくなってくれ。その方が俺も嬉しい。」

     頭を、頬を撫でられ心地よいのか、うっとりと曹操が目を伏せる。こく、こくと何度も頷き、続きを再開するように促すのが分かった。あまり怖がらせないよう、曹操の頬を優しく撫でながら、空いた方の手で下を脱がせてゆく。白く、細い太腿に残る小さな噛み跡と口付けの跡が欲を擽る。ソレはつい先程までこの身体を貪っていた事実を明らかにするもので、なんとも言えない色香を放っていた。その跡を指先でなぞると、曹操の口から吐息がこぼれ落ちる。ゆっくりと跡を指で追いながら、下着に手をかけ脱がせてゆく。ふるり、ともう既に緩くだが勃ち上がった曹操自身が身を乗り出すのが見えた。優しく根元を手で撫でると、それだけで心地いいのか曹操が小さく息を飲む音が聞こえる。
    ゆるりと勃ちあがった曹操のそれを優しく手で撫で、軽く口付けを落としたあとそのまま口へと含む。ひくり、と曹操の腰が跳ねるのが分かった。…きっと、口でされるのは初めてなのだろう。なら、優しくしてやらなくてはならない。初めてで刺激が強すぎるのも可哀想だから…。先端を口に含み、優しく吸い、舐め上げる。それだけで心地いいのか、曹操は小さく声を漏らしながら腰を揺らしている。これで快感を感じ取れているならいい。ほっと胸を撫で下ろした。
     ちゅ、ちゅと音を立てて先端を軽く吸う度に曹操が甘い声を漏らす。かく、かくと曹操の腰が揺れる度に、自然と口内の奥へとそれが飲み込まれてゆく。ちゃんと、曹操も男なのだな、と感じることができ、心の中で笑みを零した。なら、もっと強い刺激でも喜べるだろう。そう思いひときわ深く既に勃ち上がったそれを口内へ含み、ぢゅる、と音を立てて吸い付いた。
    その瞬間、曹操の手が髪を掴む。皮膚の引き攣れる痛みをちり、と感じたが彼が快楽を感じているという事実に上書きされ痛みなど何処かへと行ってしまった。曹操の顔を見ると、目に涙をためながらいやだ、ゆるして。とか細く泣いている。ふるふると首を横に振りこの行為をやめて欲しいと懇願するかのようにこちらを見続けていた。だが、今更辞める訳には行かない。こんなにも可愛らしい曹操の姿を見れるのだから、辞めるなんて勿体なかった。たらりと先端からこぼれる液を啜り、何度も深く吸い付く。卑猥な水音が部屋中を支配している。かく、かくと閉じないようにと掴んでいる曹操の足が震え、喘ぎ声は次第に大きくなっていく。きっと気持ちいいのだろう。快楽に脳を焼かれるような思いをしているのだろう。だが、辞める訳には行かない。曹操には、もっと気持ちよくなって貰いたいから。足を持ち上げる腕に力を込め、逃げられないように押さえつける。ひ、と曹操が小さく悲鳴を漏らすのが聞こえたが、構っては居られなかった。

     「や、ッ…あ、いく、…だ、め。イッ……ぁ…!」

     ビクッ、と曹操の身体がひときわ強く跳ねたと同時に、口内に温かな液体が撒き散らされる。ほんの少し強く吸っただけでどうやらイッたらしい。どこまでも快楽に弱く、純粋な身体なのだろうか。もっとその身体を暴きたい。快楽という名の暴力で犯し尽くしたい。何も知らないその身体に、全てを教えこみたい。そんな欲求が首をもたげた。
     びく、びくと身体を震わせながら口内へと精を撒き散らす曹操に愛着を感じる。ちゅ、と小さく音を立てながら未だ勃ち上がっているそれの先端に口付け、残った精を吸う。それだけで達した身体には毒になるのか、また震えながらとくりと精を零した。口に含んだ精をこぼさないように、ゆるりと勃ち上がったそれから口を離し、全てを飲み込んだ。その姿を蕩けた目で曹操が見つめてくる。口淫が気持ちよかったのだろう。視線はゆらりと泳ぎ、定まってはいない。目からは涙を零し、おぼつかない目線でこちらを追っているのが見えた。何か、言いたいのだろうか?曹操の頬をゆっくりと撫で、目線を合わせる。

     「…どうした?」
     「…私も、したい。」

     消え入りそうな声だった。だが、ハッキリと聞き取ることが出来た。口淫をしたい、と。なんて健気で、可愛らしい男なのだろうか。きっとこちらにも気持ちよくなって欲しい一心で言ったのだろう。どんな手順を踏めばいいかも分からない行為に自ら踏み込むとは。嗚呼、興奮が収まらない。どう収めればいいか分からない。わかったと小さく頷き、前を寛げ、曹操の痴態で勃ち上がったそれを出す。目の前に差し出されたものの大きさに驚いたのか、曹操が顔をこちらへと向ける。その表情にははっきりと困惑の色を伺うことが出来た。先程した場所では暗くて見えなかったが、自分はこんな大きさのものを受け入れていたのか。これからこれを咥えるのか。そう言った思いがひしひしと伝わってくる。
     恐る恐る、曹操が口を開き、ゆるりと勃ち上がったそれへとしゃぶりつくのが見えた。舌のぬるりとした感触と口内の温かさに小さく声を漏らした。誰かにされるのは久しぶりだったのと、相手が曹操だったからか、余計に心地よく感じられた。ち、ちゅ。と軽く曹操が先端を吸ったり、舐めたりしているのが視界に映る。それだけで酷く興奮することが出来た。なんて、可愛らしいのか。曹操が拙い口使いで自分のを舐めている。興奮するなという方がおかしいくらいだ。
     ちゅぷ、ちゅ、と音を立てて必死に自身のものにしゃぶりつく曹操は、なんとも愛らしいものだった。気持ちよくなってもらおうと必死で吸い付き、舐める姿を見る度に興奮が収まらなくなる。曹操の頭を、頬を、顎を撫でると心地よさそうに目を細めた後、こちらを見つめてくる。気持ちいいか?と聞いているようだった。

     「大丈夫だ、気持ちいい。…上手くやれてるぞ。」

     その言葉に、曹操は安堵したような表情を浮かべ、中断していた口淫を再開する。最初は先端だけを舐めて吸っていただけだったが、今では深く咥え込み、それでも足りない部分は手を使いながら慰めるまでに成長していた。やはり、覚えが早い。…色々なことを教えこみたくなる。ゆるゆると腰を揺らすと少し苦しそうな顔を浮かべながらも拙く、必死にしゃぶりついているのがみえた。ちゅ、と曹操がひときわ強く吸い付くのがわかった。声をこらえ、曹操の髪をくしゃりと撫でる。快感を感じているのを理解したのか、それとも癖になってしまったのかは分からないが、何度も何度も強く吸い付く。駄目だ。このままではいけない。

     「…曹操、もういい。十分だ。」

     このまま出してしまうのは申し訳ないと思い、曹操の頬を軽く叩きながら辞めるように促す。まだ舐めたりない、とでもいうような目線をこちらに送りながら、曹操が名残惜しそうにそそり立つそれから口を離した。つぅ、と唾液が銀の糸を引くのが見える。

     「…気持ち、よくなかった…か?」
     「いや、良かった…上手かったよ。」

     すり、と頬を撫でると心地よさそうに目を細める。まるで猫のような男だ。と思いながら曹操に軽く口付けを落とす。
    ベッドへと曹操の身体を寝かし、足を優しく掴んで広げる。つい先程まで長大な自身を咥えこんでいたそこは濡れそぼっていて、慣らさなくても入りそうな程に緩んでいるのが見てわかった。だが、一応は慣らさなくてはならない。しかも曹操はまだこの行為に慣れている訳では無いから、尚更だ。指をしっとりと濡れそぼった後孔へと這わせ、つぷりと挿入する。曹操の中はとても温かく、心地が良かった。そしてきゅう、と指を軽くだが締め付けてくるのが感じ取れた。

     「あ…………ッ………ぅ…」

     曹操が顔を顰めながら小さく喘ぐ。比較的細い指とはいえ異物が入っているのだ。苦しくないわけが無い。苦しかったら言うように、とは約束しているが曹操の事だ。きっと極限まで耐えるに決まっている。怖くないよう、痛みを感じないように優しく内壁を指でなぞってゆく。その間にも頭を撫でる手を止めずに、くしゃと前髪をかき分け額に口付けを落とした。それだけで安心したのか、曹操の呼吸が荒いものから穏やかなそれへと変わってゆく。指を動かす度にくちゅ、という卑猥な音がこぼれ落ちる。恥ずかしいのだろう、曹操が顔を背け、口元を手で覆い隠しながらふ、ふと小さく呼吸を漏らす。

     それ以上欲を煽るような行為をしないでくれ。もうこのままでは自分を押さえつけられなくなってしまう…。

     ぐ、と理性で犯し尽くしたい本能を押し殺しながら、曹操の後ろを慣らしてゆく。指をほんの少し深くまで入れると、こり、とした所へ触れることが出来た。その瞬間、曹操の身体がビクッ、と震える。

     「ッ…く…ぁ……?」

     身体に電流でも流れたかのような気分だったのだろう。いきなり与えられた快楽に困惑しているのが見て取れた。困惑した表情のまま、恐る恐るこちらの顔を見つめてくるその姿がなんとも可愛らしくて、仕方なかった。もっと可愛らしい姿を見たい。喘いで、乱れる姿が見たい。その一心で先程のしこりを指先でぐり、と押し付けた。

     「あ、ッ…!や…ぁ…っ…な、に…ッ…これ…」

     とん、とんと何度もしこりを指先で押し潰すように捏ねると、目に涙を浮かべながら曹操は酷く乱れ始めた。これは片方が感じるだけの一方的な行為では無い。曹操にも気持ちよくなって貰うための、愛し合うための行為なのだ。だから存分に快楽を感じ取って欲しい。何もこわがる事は無いから、ただ与えられる快楽に身を委ねていればいい。ぐり、ぐりと何度も指をしこりへと押し付け、刺激してゆく。曹操は顔を手で覆い隠しながら時折びく、びくと身体を震わせ、甘い嬌声を漏らすだけになってしまった。もう既に勃ち上がり、ふるふると震える曹操自身を手で包み込み、何度か擦りあげる。後ろと前、両方からの刺激に耐えきれなくなったのか、曹操の嬌声は大きくなっていった。

     「い、いく、だめッ、イッ…イく…ッ…!」

     ぴゅ、ぴゅく。と先端から精を吹きこぼし、曹操は果てた。手に温かくとろみのある精の感触を受けながら、手のひらに出されるそれを全てを受け止めた。曹操の顔を見ると、すっかりと蕩けきり、気持ちいいか?と訪ねるまでもなく快楽に支配されているのがわかった。その表情に、下半身が重くなるのを感じた。早く。中に入れたい。曹操と存分に愛し合いたい。そんな欲求が頭の中を支配する。
     はぁ、はぁと肩で息をしながら曹操が涙の滲む目でこちらを見つめてくる。気持ちよかった、とでも言いたいのだろうか。そんな目をしていた。嗚呼、もっと気持ちよくなってもらいたい。もっと、乱れて欲しい。
     中を蹂躙する指を2本に増やし、しこりをつまむように撫であげる。達したばかりの身体にこの刺激は辛かったのだろう。喉をさらけ出しながら曹操が悲鳴を漏らして喘ぐのが見えた。目の前にさらけ出された白い喉にやわく噛みつきながら、指を動かして責め立てる。ひ、ひと息も絶え絶えになりながら曹操が喘ぐ。まだこの行為に慣れていない身体にこの刺激は強すぎるのだろう。引き攣れた喘ぎ声が鼓膜を揺さぶる度に、心の奥底が満たされてゆくような感覚に陥った。曹操の身体も、心も、自分だけのものなのだと確信するような、そんな感覚であった。
     1本から2本、2本から3本へと指を増やし、後ろを慣らしてゆく。増やしてゆく度に、曹操が快楽を拾う度にきゅう、と切なげに指を締め付けてくる。この行為は、慣らすためではない、曹操に快楽を感じ取ってもらうための行為だ。そのためにありとあらゆる責めで曹操を蹂躙してゆく。気づいた時には曹操の白い肌には幾多もの噛み跡と口付けの跡が残っていた。今、この身体をモノにしているのは自分だと知らしめる跡だった。ちゅぷり、と音を立てて指を後孔から抜く。びく、びくと掴んでいる曹操の内股が震えているのが見えた。あまりにも強い快楽に耐えきれなくなったのだろう。喉を震わせて曹操が泣いている。…まさか、苦しかったのだろうか?もしそうだとしたら謝らなければならない。曹操の頭を優しく撫でながら尋ねる。

     「…苦しかったか?」
     「…ッ…あ、ちが、う…きもち、よくて…ッ…おかしく、なりそうで…こわくて……。」

     拙い口調で曹操が答える。あまりの快楽に怖くなっただけだったようだ。

     「曹操、気持ちいいのは怖いことでは無いからな。存分に気持ちよくなっていいんだ。それは普通のことだから。もっと、気持ちよくなろう。な?」

     曹操の身体を抱きしめ、頭を撫でながら答える。こく、こくと曹操が頷きながらこちらの首に顔を埋めてくるのが愛おしくて堪らなかった。しばらくの間、曹操の身体を抱きしめ頭や背中を撫で続ける。そうしていたら徐々に呼吸が落ち着いてくるのが伝わってきた。もうそろそろ、いいだろうか?曹操へと向き直り、声をかける。

     「曹操、お前を、抱きたい。…いいか?」
     「…いい。抱いてくれ…。あなたになら、何度でも抱かれたい。」

     了承の言葉を貰い、嬉しさからまた曹操の身体を抱きしめる。嫌と言われるわけは無い、と思ってはいたが、いざ面と向かい言われると嬉しさが勝る。
    曹操の身体をうつ伏せに寝転がし、体制を整えるために動く。ぎし、とベッドが軋む音が聞こえた。後ろからした方が負担が少ないと思い、この体位を選んだが曹操はどうやら不満らしい。顔をこちらに向け、じっと見つめてくる。

     「どうした?」
     「…孫堅の…顔が…見たい…」

     どうやら、こちらの顔を見ながらしたかったようだ。だが、まだ慣れていない曹操の身体に負担をかける訳には行かない。身が擦切れるような思いだったが、今回は諦めてもらうしかない。

     「…慣れてきたら、しような。」

     そうつぶやき、曹操の頬を優しく撫でる。まだ不満気な顔をしていたが、こくりと頷き目を細めた。すり、すりと何度か頬を撫でたあと、頭を軽く撫でて曹操の身体から手を離す。もう、入れたい。曹操の胎内へと己のそそり立った雄を埋め込みたい。腰へと手を添え濡れそぼり、ひく、と何度か痙攣するそこへと自身のそれを宛てがう。びく、と曹操の身体が小さく痙攣するのがわかった。入れるぞ。と小さく呟くと、曹操が頷く。
     準備は、整った。
    ぐ、と力を込めて腰を進めてゆく。曹操の体内はとても温かく、きゅう、と切なげに締め付けてきた。それだけで心地がよく、腰を進めるのを止めてしまいそうになるほどだった。曹操がか細く喘ぐ。受け入れたことの無い大きさの、あまりの質量に息ができないのだろう。頭を何度か優しく撫で、耳元で大丈夫だと語りかける。それだけで落ち着くのだろうか、曹操の呼吸が柔らかく安定したものになった。何度か気持ちのいい所を擦ったのだろう。上擦った甘い吐息が曹操の口からこぼれ落ちる。少しずつ、軽くだが腰を前後に揺らしながら奥へと進めてゆく。何度かそれを繰り返していくうちに、気づいた時には曹操の胎内へほとんど自身のそれが埋め込まれていた。

     「曹操、ほとんど入ったぞ。」

     曹操の手を掴み、結合部へと触れさせる。あ、と小さくだが喘ぎながら曹操の指がそこを撫でる。心地よさそうな、大きなため息を一つ吐くのが聞こえた。それを聞くと、幸福感で満たされてゆくのがわかった。今、曹操と愛し合っているのだ。幸福以外の気持ちが湧いてこない。なんて、幸せなのだろうか。
     胎内に入れたものの大きさに慣れさせるために、何度か小さく腰は揺らすが激しくすることはしなかった。あ、あとか細く喘ぐ声が聞こえる。曹操はしっかりと快感を感じられている。それだけで十分だった。

     「う、ぁ…ッ…そん、け……ッ…」
     「なんだ…?」

     曹操がこちらの名前を呼んでいる。きっと何かを言いたいのだろうと思い、曹操の言葉に耳を傾ける。

     「おね、がい…うご、いて…ッ…おかして…ッ…」

     舌っ足らずな口調でそう言われ、欲が溢れ出るのを感じた。もう無理だ。耐えられない。音を立てて理性がちぎれるのが、自分でも分かった。曹操の腰を力強く掴み、奥を抉る。

     「あッ…ぐ…!?」

     かは、と曹操が息を漏らす。そんなことには構っていられなかった。まさか、ここまで理性が持たないとは思わなかった。曹操の一言で全て崩されるとは。今日は優しくするつもりだったのに、身体を優しくいたわるつもりであったのに。全てが台無しだ。腰を掴み、何度も何度も奥を抉る。その度に曹操の口からは蕩けたような喘ぎ声が漏れた。

     「や、ッあ、あっ、アッ、ぐ…ゥ…ッ!」

     奥を抉り、突く度に曹操の背中がビクッと痙攣する。与えられる快楽の暴力に耐えられないのだろう。両の足はカクカクと揺れ、身体を支える役割を果たしてはいなかった。何度も何度も奥を突く。その度にぱちゅ、ぱちゅと淫らな水音と肌が触れ合う音が部屋中に響く。曹操の胎内はねっとりと自身を包み込み、離してはくれなかった。欲しい、もっと刺激が欲しいと強請るように思えて仕方がない。さらけ出された白い背中に、何度か軽く口付けを落とすだけで曹操の身体は面白いくらいに跳ね、それだけで快感を感じ取っているようであった。ふと、曹操の顔が見たくてたまらなくなった。一体どんな顔で感じているのだろうか、喘いでいるのだろうか。その可愛らしい表情の全てを脳に焼き付けたい。もうその頃には当初の目的であった、身体を労る。優しくするという思いは消え失せていた。ずるり、と曹操の胎内から自身を引き抜く。ぽっかりと口を開いたそこはひく、ひくと淫らに痙攣しながらこちらを誘ってくる。曹操の肩を掴み、身体を仰向けに寝かせる。白い肌は赤く染まり、恥ずかしいのか腕で顔を隠しながらこちらの様子を伺ってくる。

     「曹操、顔を見せてくれ。感じている顔が見たい。」

     腕を掴み、優しく脇へと寄せる。涙を目に滲ませながら、熱っぽい表情を浮かべてこちらの顔を見つめていた。それだけで、また犯し尽くしたいという欲求が首をもたげるのを感じる。は、はと小さく息を零しながら潤んだ瞳でこちらを見つめてくる。嗚呼、犯したい。もっとその可愛い顔を堪能したい。曹操の頬に手を当て、口付けを交わす。軽く開かれた口内に舌を入れ、絡めてゆくとそれだけで心地いいのか、曹操が小さく声を漏らす。ちゅ、くちゅ。と舌を絡め口付けを交わす度に水音が響く。存分に堪能し、口を離すとつぅと銀の糸が引くのが見えた。ほたりと口の端から唾液を零しながら曹操がこちらの身体にすがりついてくる。くしゃりと頭を撫で、額に軽く口付けを落とす。くすぐったいのだろう、曹操が身をよじりながらこちらの顔を見つめてくる。するりと頬を撫で、閉じられた足を掴み、開かせる。先程の律動ですっかり勃ち上がったそれを撫でた後、白い腹に指を這わせる。そして再び、勃ち上がった自身のそれを曹操の胎内へと埋め込んだ。内側にある敏感なしこりを抉ると、曹操が声を出して震え出した。

     「く、ぁ…ッ…は………ぅ……ッ…」

     先端で何度もしこりを抉る。浅い所で律動を繰り返すと掴んでいる曹操の足が震えた。唇を噛み締め、喘ぎ声を耐えようとする姿が愛おしい。軽く頬を撫で、口の中に指を入れる。喘ぎ声を出して欲しい、可愛らしい声を聞かせて欲しかった。舌を指先でなぞり、上顎を弄ぶ。それだけで曹操の身体が跳ねる。快楽に頭を支配されながらも、まるで赤子のようにちゅう、ち。と曹操が指を吸ってくるのが見えた。可愛らしい。愛おしくてたまらない。

     「ンっ…ふ、…ぁ………んん…ぅ」

     くちゅ、くちゅと腰を揺らす度に繋がったそこからは水音が漏れる。こちらが腰を揺らすのに合わせて、曹操がゆるゆると腰を揺らしているのが見えた。嗚呼、可愛い。可愛らしい。もっと虐めてやりたくて、たまらない……。白い腹に手を乗せ、するりと撫でる。こちらの律動に合わせてひく、ひくと腹が上下するのが感じ取れた。ぎゅ、と指先で腹を押す。

     「アッ…く…ぅぅ…ッ…!」

     胎内は長大なそれで虐められ、外からは指で押され刺激に耐えきれないのだろう。背中をしならせながら曹操が喘ぐ。きゅ、と胎内が窄まり自身のそれを締め付けてくる。腰を掴み、きゅうきゅうと絡みついてくる媚肉を掻き分けて一気に奥まで貫く。喉をさらけだし、びく、びくと震えながら声にならない声を上げて曹操が鳴いているのが見えた。伸びた足がかく、かくと震えている。こちゅ、と奥の壁に先端が触れる。そこは柔らかく、先端を包み込むようにやわやわと震えていた。嗚呼、気持ちいい。もっと堪能したい。
     この時が、終わって欲しくない…。とさえ思えるほどであった。ぱちゅ、ぱちゅと腰を優しく打ち付けながらさらけ出された喉を甘く噛む。

     「あッ、や…ッ…い、ぐ……ッ…ぅ…」

     何度も何度も、喉へと甘く噛みつき跡を残してゆく。快楽に耐えきれないのだろう。曹操がぎゅ、とシーツを握りしめて目を閉じ荒い呼吸を繰り返しているのが見えた。閉じられた瞳からほた、ほたと涙がこぼれ落ちる。その涙を指先で掬い取りながら、またひときわ強く奥を抉った。臓腑が押し上げられる違和感よりも、身体を支配する快楽の方が勝っているのだろう。只々甘い嬌声を零しながら曹操は泣いていた。

     「はっ、あ、ァ、ぐっ、ぅ…あ…あっ、あッ」

     最奥を強く抉られ、蹂躙されるのが癖になりつつあるのだろう。その度に甘く蕩けた声を漏らし、足をかく、かくと震えさせている。まだ二度目の性交だと言うのにここまで感じられるとは。もっと、たくさんの気持ちいいことを教え込みたい。胎内だけで十分満足できることを教えてやりたい。そんな気持ちが芽生えてきた。ごちゅ、ぐちゅ、と何度も深く、強く奥を蹂躙する。そろそろ達しそうなのだろうか、曹操の身体ががくがくと震えているのが見えた。

     「く、ァ、ッ…あ、いく、イく…ッ…イッ…あぁ…ッ!」

     突かれる度に、ぴゅく、ぴゅくと先端から精を吹きこぼす。深い絶頂に陥っているのだろう。荒い呼吸を繰り返しながら曹操が何度も、何度も深く果てているのが見えた。まさか、触らずに達することが出来るとは思わなかった。ここまで官能的で、可愛らしい身体をしているとは…。ぺろ、と唇を舐め、官能的な曹操の痴態を脳に刻み込むように眺める。胎内を擦られる度にどうやら達しているらしい。先端からは絶え間なく精を吹き零し、か細い声を上げながら絶頂の余韻に浸っている。

     「あッ…く、ぁ…ァ……ッ…ひ、ぅ…ッ…う、ぅ…」

     何度も達したせいか、もう言葉すら出せないのだろう。声にならない声を漏らしながら曹操は達していた。胎内に収められたそれをきゅうう、と締め付けながら、余韻に浸っている。愛おしい。なんて愛おしい身体なのだろうか。このまま姿を見つめていたいところだったが、生憎とまだ、達することが出来てない。曹操には可哀想なことをするが、また極限までそれを引き抜き、最奥へと叩きつけた。

     「いッ…あ…!?ひ、ぐッ…ぅ!」

     腰を強く掴み、何度も最奥へと腰を叩きつける。ばちゅ、ごちゅという音が部屋に響き渡る。達したばかりの身体には毒なのだろう。とろりとした精を先端から垂れ流しながら曹操は悲鳴のような喘ぎ声を漏らしている。きゅう、きゅうとした強い締め付けが心地いい。もうそろそろで達することが出来そうだ。曹操の頬を優しく包み込み、口付けを落とす。それに応えるように舌を絡ませてくる姿が愛おしい。

     「ッ、そろそろ、出していいか?」
     「あッ、いい、だして、ッ…おくに、だして、くれ…ッ」
     「…あぁ、わかった。」

     曹操の頭を抱え込み、奥に叩きつけるように腰を揺らす。あっ、あっと言う曹操の心地よさそうな喘ぎ声を聞くと興奮が抑えられなくなる。早く中に擦り込みたい。自分のものだと言う印を中にぶちまけてしまいたい。そんな衝動に駆られた。出すぞ。と小さく曹操の耳元で呟き、何度か強く腰を揺らしたあと、最奥へと腰をぐり、と擦り付け中へと精を出した。とく、とくと注がれるのに合わせて曹操の足が跳ねる。注がれた気持ちよさでまた達したのか、腹が温かくぬめつく感触で満たされていた。ふぅ、と何度か深く呼吸し、整える。顔を上げ、曹操の顔を見ると快楽に蕩けきっているのが見えた。初めて与えられる暴力のような快楽に頭が追いついていないのだろう。無理もない。何度か頬を撫で、軽く叩くとふわりとこちらに目線が合う。どうやら、快楽の波から戻ってこれたようだ。

     「…気持ちよかったか?」

     こく、こくと曹操が頷く。想像以上に心地よかったのだろう。ふぅ、ふぅ、と荒い息のままこちらへと身体を擦り寄せ、しがみついてくる。中に出した精を擦り付けるように何度か緩く腰を揺らすと、か細く曹操が喘ぐ。何度か擦り付けた後、腰を引き胎内から自身を引き抜く。ちゅぷ、と音を立てて抜けたと同時に、胎内からとろりと精がこぼれ落ちるのが見えた。ふるり、と曹操の太腿が震える。零れてくる感覚だけで気持ちいいのだろう。呼吸を整えるように、何度が深く息をしながら曹操の頬に手を這わせる。手の感触が心地いいのだろう、すり、と自分から顔を手に擦り寄せて来る。まるで、猫みたいだなと思いくす、と小さく笑いをこぼした。

     ――――――――――――――――――――――――――――

     「痛くはなかったか?」

     曹操の身体を抱きしめながら、語りかける。肌の温もりが身体中に伝わってきて、心地よかった。

     「…全く。…寧ろ、良かった。」

     こちらの胸に顔を埋め、曹操が小さくつぶやく。すり、すりと顔を胸に擦り寄せながら、曹操が甘えてくる。…人の温もりが恋しいのだろうか。優しくその頭を撫で、耳に軽く口付けを落とす。くすぐったいのか身を捩りくす、と小さく笑う姿が愛おしくてたまらない。

     「そうか、それは良かった。」

     すり、すりと頭を、頬を撫でる。曹操がゆっくりと目を閉じるのが見えた。しばらくの間撫で続けていると、規則の正しい呼吸音が聞こえてくる。どうやら、眠ってしまったようだ。暗がりの中、寝顔を見つめる。その寝顔はあどけなく、年相応のものに思えた。まだ年若い、この青年には未来がある。それなのに、俺のような悪い大人に身体を差し出し、あまつさえ着いてくるなど。危機感が少し欠如してるのではないか、とさえ思えてしまう。後で、言って聞かせないとな、と思いながらまた頬を優しく撫でる。曹操の寝顔を見つめていたら、こちらまで眠たくなってきた。どうやら眠気を誘う何かがあるらしい。
    曹操の身体をひときわ強く抱き締め、頭を撫でながら目を閉じる。規則の正しい呼吸音が心地よい。とん、とんと背中を撫でながら、ゆっくりと眠りに落ちるのを感じた。
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