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    diolete

    @diolete

    らくがき 半端な小説 ニッチ作品 18作を置いておく

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    diolete

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    後半アフストの試しが来てしまったので、続けづらくなった小説を上げます

    前編にあった諜報員ルルがメインのコメディー
    イサルイ匂わせ程度
    *注意 完成してない 校正などもなし

    #イサスミ
    #イサルイ

    とある諜報員の仕事ぶり 私は未来戦士ルル。ではなく、今はアンコーボブにメンキョカイデンを頂いた立派な諜報員ルルだ。
     そんな私はとある寂れた町でスパイ活動をしている。この町で行方をくらませたスミスの目撃情報があったのだ。そこで私は目立たないどこにでもいる地味な清掃員に成りすまして、諜報活動をしていた……はずだった。
    「それでお嬢ちゃんはどこからきたんだい?」
    「そうよ。あなたみたいな美人さんがこんな地味で大変でくっそたれな仕事なんかして……。何か深いわけでもあるのかい?」
     寂れた町に唯一ある大企業の工場では町の人口の半数働いている。スミスの情報を探るために潜り込んだ清掃業。ルルはその休憩時間にベテランおばちゃま清掃員二人から、お節介と質問攻めにあっていた。
    (ガピ……。どうしよう)
     新しく入ってきた若い子の世話を焼きたがるベテランおばちゃま清掃員二人は、自分の休憩用に持ち込んだ茶菓子と休憩室に隠し持っていた高級茶葉を取り出し、甲斐甲斐しくルルにふるまってくる。
     ルルはベテランおばちゃま清掃員二人にたじたじだった。
    「見たところまだ学生さんでしょ?おばちゃん、何でも聞いてあげるからね」
    「肌も白くてきれいで。お仕事初めて?分からないことあったら何でも言ってね?」
    「こんな美人さんが働きに出るなんて……。しかもこんな苦労ばっかりの肉体労働を……。他にもっといい仕事があるでしょうに」
    「でもこんなにきれいな子なんだもの。下手な仕事を探したら怪しい奴らに目を付けられて、攫われちゃうかもしれないわ」
    「それもそうね」
     ベテランおばちゃま清掃員二人は、ルルの世話を焼きながらおしゃべりが止まらない。
    (清掃員の仕事は諜報に向いているって言っていたのに、話が違うよアンコーボブ……)
     事実、ルルの見た目と年齢では逆に目立ちすぎて、浮いていた。
    (こういうときの対処法。アンコーボブはなんていってたっけ?)
     ルルは脳内にボブを召喚してみたものの、実はちょっと適当に諜報員指導をしていたアロハシャツおやじはのらりくらりと躱すだけで、役には立たなかった。
     仕方なくルルは自力でこの難局を乗り越えることにした。
    「あの……」
     意を決してルルは二人から情報を引き出そうと声を出した。
    「なぁにお嬢ちゃん!」
    「どしたの?」
     たった一言、声をかけただけなのに、ベテランおばちゃま清掃員二人は、我が子が初めて立った時のような勢いで食いついてきた。
     その気迫にルルは負けそうになった。ピガ……。
    「えっと……私は……その、人を探してて」
     アンコーボブにいろんななんちゃって諜報技術を伝授してもらったはずなのに、人生山あり谷あり、酸いも甘いも通ってきたベテランおばちゃま清掃員二人の迫力に飲まれて、ルルは思わず人慣れしていなさそうな訳あり少女のみたいな話し方で話し始めた。
    「あら、どんな人?」
    「それってお嬢ちゃんの大切な人?」
     ベテランおばちゃま清掃員二人は切なげに眉を下げて、親身に乗り出してルルに詰め寄る。
    「そう……私を、育ててくれた……大切な人」
    「あらやだ、それって……。お母さまがいなくなっちゃったの?」
    「えっおかあさまが!」
    (ガピっ?おかあさま?)
     濁した言葉を湾曲して解釈するベテランおばちゃま清掃員二人。
     確かにスミスはルルを育て見守ってくれた大切な人ではあるが、母ではない。あまりの的外れた解釈にルルは思わず目を見開き、それまで目立たぬよう俯いていた顔を上げて、驚いた。
     しかしその仕草がいけなかった。
     ベテランおばちゃま清掃員は、その表情から事実だと早合点し、探し人は母親というになってしまった。
    「そう……だから、こんな若さで働きに出たのね。遠慮しないで。おばちゃんの茶菓子も食べていいわよ」
    「お母さまがいなくなってしまったのね。それって……この前の地球外生命体の侵攻でかしら? そうよね……。ほら、お菓子だけじゃ咽ちゃうでしょ。お茶も飲んで」
    (ガガ! ピピピ!)
     今更訂正しようにも勘違いの追撃とばかりに茶菓子とお茶を進められてしまい、ルルは軌道修正のタイミングを逃した。
    「あのときは大変だったものねぇ」
    「あたしも家族総出で逃げ出したわ」
    「どこもそうよ。わたしだって、何も持たずに必死に逃げたわ。戻ったら家なんてなくなってたけど」
    「家なくなったのちょっと羨ましいわ。こっちは丸々残ったおかげで旦那がやってるショボいダイナーは今日も営業中よ。客なんて来やしないのに」
    「お宅も苦労してるわよね……。あ、ごめんなさいね。お母さまとはそのときはぐれたのよね? じゃあお父さまは? 今一緒にいるの?」
     ベテランおばちゃま清掃員二人の愚痴が始まったとばかりに、気楽に構えていたルルは、突然の矛先に頭を真っ白にさせた。
    (え、おとうさま? )
     ルルは母も父も知らない。居たのかさえ分からない。しかしベテランおばちゃま清掃員二人は当然いるものだと思って聞いてくる。
     ここで珍しく脳内アンコーボブが語り掛けてきた。
    『諜報において、作りすぎた設定ってのは演技に嘘が出ちまう。相手に不信感を抱かせないように、嘘には本当を混ぜるんだ』
     そういって脳内アンコーボブは親指を立てた。ルルは会ったこともない両親を演出しようと必死に考え、ひとつの案を引っ張り出した。
    「仕事もあるし今は一緒じゃない……けど、心配してくれる。支えてもらってる」
     スミスを失って、悲しみにくれていた時に支えて一緒に生きてくれたイサミのやさしさを思い出し、そのことを振り返りながら言葉にした。
     その表情や声音を真実と見たベテランおばちゃま清掃員二人の加護欲は大いに刺激され、嘘を信じた。
    「家族を養うためだもの、仕事は手放せないわよねぇ」
    「お父さまもこんなかわいい子を旅に出すのは、忍びなかったでしょうねぇ」
     ベテランおばちゃま清掃員二人の曲解と、諜報員ルルの嘘、が爆発的におかしな化学反応を起こしていく。
     お菓子を頬張り、お茶で喉を潤し、お腹も満たされた新米諜報員は、流石にこのトンチキなおしゃべりからスミスの情報は出てこないと気づいた。
     そこからいくつか適当な相槌を打っていると、ベテランおばちゃま清掃員二人の意識はお互いの話を向き出し、ルルもこれ幸いとばかりに存在感を消して、今後の計画を考え始めた。
    (最後に連絡を取ったATFメンバーがちらっと聞いたポイントから先は、この町しかないのに……。だからこうしてさり気なく情報を探ってるのに……。うまくいかないなぁ)
     ルルは真面目に落ち込んでいたが、ルルは自分の存在感をよく理解していなかった。
    (スミス。本当にどこ行っちゃったのかな……)
     そんな寂しい思いが顔に出ていた。そんなルルに気づいて、ベテランおばちゃま清掃員二人の意識はルルに戻ってしまった。
    「勝手に話し込んじゃってごめんね。ねぇ、お母さまってどんな人?」
    「放っておいちゃってごめんなさいね。そうね。どんな感じの人か教えてもらえれば、何か力になれるかもしれないわ」
     思い出したかのように親身になってくるベテランおばちゃま清掃員二人。しかしルルは二人から情報を得ること止め、適当に会話を合わせることにした。
    「私の探してる人は金髪のふわふわで、すごく大きくて、すごく大好きな人。抱きつくとぽよぽよであったかくて、いつもやさしく抱きしめてくれる。けど私が無茶をするとすぐ怒る。でもそれは、私のことを大切にしてくれてるからだって、私も分かってる」
     **つなぎの文章入れたい**
    「私を支えてくれる人はいつも目がキュッと吊り上がってて、口もキュッと結ばれてるけど、私を大事に思ってくれてて、頭を撫でてくれるときは目も口も優しく笑ってる。ちょっと情けないところもあるけど、最後は絶対に戦ってくれるすごい人なの」
     それぞれを思い描いて語っていたら、スミスにもイサミにも会いたくなった。
     ルルの幸せそうな雰囲気を感じたのかベテランおばちゃま清掃員二人は、彼女の力になりたいと本当に思った。しかし残念ながら、二人に思い当たる節はなかった。
    「いいご家族ね。力になれないけど、会えることを祈ってるわ」
    「本当に。諦めなければ、きっと出会えるわ。がんばってね」
     ベテランおばちゃま清掃員二人がそう声をかけた頃、休憩終了の合図が鳴った。ベテランおばちゃま清掃員二人とルルは椅子から立ち上がり、持ち場に向かう。
    (ガピピ……。収穫なしか……)
     **つなぎの文章入れたい**
    「そういえば金髪で思い出したけど、あなたの旦那の店に変な客が来たって言ってなかった?」
    「あぁ、あれね。そう金髪で若いマッチョの風来坊ね。本人はヒーローオタクで、昔この町の外れの砂漠でヒーロー映画撮った場所を見に来たって言ってて、うちの旦那と意気投合してたわ」
    「あらマッチョだったの。ちょっと見たかったわ」
    「多分軍人よ。しっかり鍛えられてたもの。うちの旦那も映画オタクだから二人で夜中まで飲んでたの。話の分かる仲間に会ったって着てたTシャツ交換してたわ。でも旦那は小さいからサイズが合わなくて少しの間半裸でウロウロしてたのよ。すごかったわ」
    「福眼ね」
    「ええ。そのままうちに泊まったみたい。私は先に寝ちゃって、朝起きたら居なかったけどね」
    「その人!どこ行ったか分からないですか!」
     **つなぎの文章入れたい**
    「さ、さぁ? 旦那は『あいつは次の町を守りに行ったんだ』とか頭のおかしいこと言ってたけど……」
    「次の町……。たしかメインストリートを南下するとここより大きな街に着くはず……。ありがとうございます。今日までお世話になりました」
     **つなぎの文章入れたい**
    「そのマッチョ、女性だったの?」
    「いえ、男よ」
    「探してるのってお母さまよね? あれ、でも支えてくれるお父さまがいるって?」
    「……そういうご家庭なのかもしれないわ。地球外生命体が襲ってくる世の中だもの。なんだってあるわよ、きっと」
    「そうね。地球外生命体に侵略されて生きていることが素晴らしいものね。そういうこともあるわよね、きっと」
     少し困惑したベテランおばちゃま清掃員二人だったが、ルルに真剣な表情に悪意があるとも思えず、彼女の目的が達成されることを祈り、仕事に戻っていった。
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    diolete

    DOODLEスミスとブレイバーンのパロコメディ導入の小ネタ

    ◇このネタ最終話ごろからあったんだけど、ブレイバーンが消えちゃった上に、スミスとの関係性をどう考えていいか迷ってたのでさわりだけしか作ってない
     スミスもブレイバーンも一緒においしいものいっぱい食べてくれ
    私とデートをしよう──ルイス・スミス。君に頼みがある。

     朝起きて、鏡に写ったブレイバーンから藪から棒にそう告げられた。
     そもそもブレイバーンと俺は、俺がブレイバーンでブレイバーンが俺であったはずなのに、こうして会話ができる時点で何かがおかしいのだが、寝起きの頭と、地球外生命体との死闘やらで、俺はこの程度の自体に動じなくなっていた。鏡の向こうに見えるブレイバーンは今日も元気だ。

    ──説明しよう!私ことブレイバーンは、ルイス・スミスとその他の存在が融合した存在だが、その後、イサミ、ルル、果ては亡き友であるスペルビア、そして駆け付けてくれたATFメンバーの勇気が収束して勇気のいち概念として再び形となり、基となったルイス・スミスとは少しズレた存在なのだ。さらに鏡に写っているこの私は、デスドライブズに死という勇気を与えその先に生まれた別世界のユニバースで存在を確立している別個体でもある。
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