森の茸にご用心!!空が、鳴いている。
「りんご、りんごを返してくれないと、お前の骨が逆になる……逆さだ、上下じゃない、左右だ、わかるだろうガネット、左右が!!」
アンバールが叫ぶたび、彼の背後の影が、アンバール自身と踊っている。
足が六本ある。誰かが笑っている。笑ってない。鳥の声が「イタイ イタイ」って聞こえる。
「静かにしろ!!耳が、耳が歯になってる……噛むな……!」
ガネットは、自分の両耳を押さえながら膝を抱えて揺れている。
その目には、空から落ちてくる黒い文字が見えていた。
けど、意味が読めない。
「にゃ……にゃ……? なんで“にゃ”が“あ”の上に乗ってる……読めない、読めない!!誰か、この物語を閉じてくれ……!」
ペリードは大声でカイヤーの名前を呼びながら、カイヤーではないものを殴っている。
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