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    masasi9991

    @masasi9991

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    masasi9991

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    寝起きのデググラ(お昼寝)

    ##デググラ

    よくばりなので


    「ぐわ。うわ?」
     眩しい。目を開けようとしたが非常に眩しい。まだまぶたがうまいこと動かない。開いているのと閉じているのの中間だ。それでもやはりぼんやりと眩しい。
    「おれは寝言を言った気がする」
    「ふっ、くふふふ……」
    「すごく大きな声で寝言を言ってしまった気がする……むにゃ」
    「ふっふっふっふ、それは寝言じゃないのかい?」
    「ンン? グランツも寝言を言っている」
    「おれのは寝言じゃないぜ」
    「ぐわ」
     ぼんやりした天井の風景の中に、グランツの顔がにゅっと割り込んできた。
    「わ! グランツ! こんなところで寝ていると風邪を引くぞ!」
     びっくりしてしっかり目が覚めてしまった。もちろん目もちゃんと開いた。天井の明かりはとてもまぶしいが、おれを覗き込むグランツの顔で少し影になっている。
    「あっはっは、それはこっちのセリフだ。ソファなんかで寝てちゃ、今の季節はいくらキミでも風邪を引く」
    「ウムム、でも暖かだぞ」
    「おれは仕事上がりだからな」
    「おう! おつかれさん!」
     気がつくとグランツもおれと一緒になってソファに寝そべっている。いや、違うぞ。グランツが寝そべっているのは、おれの上だ。ソファとおれを間違えるなんて、おれはまたうっかりしてしまった。
    「ホカホカだ。採掘場からまっすぐ帰ってきたのか?」
    「もちろん。キミに報告したいことがたくさんできた」
    「うんうん、そうか。じゃあ飯でも食いながら……あ、しまったぞ。ご飯を作るのを忘れていた! どこかに食べに出るか?」
    「それもいいな。……んむ」
    「ん? なにをやっているんだ」
    「ン……あむ、……思ったよりお腹が空いているみたいだ。目の前に美味しそうなキミが落ちてたから」
    「うひゃひゃひゃ! おれは食べられないぞ!」
    「ン、アハッ、わかってるさ。冗談だぜ?」
    「もちろんわかっているとも。おまえが本気ではないことぐらいもちろん!」
    「あはは!」
     ニコニコで笑いながらグランツがおれの右のほっぺから唇を離した。びちょびちょだ。そういえばおれも仕事を上がってからそのままだから、あからさまに汗まみれだったのを思い出して、少々申し訳なくなる。
     しかしそれとはまた別な気持ちで、おれの上から起き上がろうとするグランツを、思わず抱きしめて引き止める。
    「うわっ」
     おれの胸の上にグランツが落ちてきて、ぽふん。まだまだホカホカあたたかい。
    「デグダス、どうした?」
    「む、あのな、こっちも」
    「うん?」
    「いやーその、バランスというものが大事……かもしれないぞ」
    「左もか?」
    「そう。平たく言えば、そうだ。こっちの方にも、アレー、アレは、なんだったんだ? チュウかな? チュウみたいなやつをだな、よろしくおねがいします!」
    「ふっ、ふふっ」
     おれの胸にグランツが頭を押し付けて、こちょこちょ含み笑いをした。こちょこちょでくすぐったい。
     しかしそのくすぐったさもつかの間、おれの上でぐぐっと背伸びをしたグランツが、おれの左のほっぺたにガブッとチュウをした。ん? もしかしてこれはチュウではない? しかしかわいいからいいか。細かいことはいいじゃないか。


    (了)
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