masasi9991 @masasi9991 妖怪ウォッチとFLOとRMXとSideMなど平和なのと燃えとエロと♡喘ぎとたまにグロとなんかよくわからないもの ☆quiet follow Yell with Emoji Tap the Emoji to send POIPOI 413
masasi9991☆quiet followDONE何かと戦っている土蜘蛛さんと大ガマさん ##妖怪ウォッチ 落下 足を滑らせた、かのように見えた。 高く跳ね上がって、ご自慢の長い髪を振り上げる。同時に空が震える。よく晴れた雲ひとつない空が、水面のように波紋を広げた。 錯覚である。しかしともかく、あれが妖気の波紋を広げた途端、そこで足を滑らせた。 空を切り裂く波紋を残し、落下する。 その仇は我々と異なる理を抱き、不可視であった。音ばかりは耳に届く。悲鳴のごとき轟音が響いた。 空に巣食っていた目に見えぬ何者かが、目に見えぬ血しぶきを上げ、のたうち回りながら、逃げ去っていくのだった。 地上では歓声が上がる。勝利と安堵の声を妖怪たちが上げている。 仇は討った。逃げていく。しかしあれが、真っ逆さま、空から落ちる! 仇の残した最後の一撃は、あれの胴を撃ち抜いた。だがまるで誰にも見えていない。ただ空で迂闊に足を滑らせたかのような。妖怪たちの軍勢は誰もその一撃を見ていない。だが落ちる。ただ一人、止めの一撃を放ったあれが真っ逆さまに落ちるのを、誰も気付いていない。 勝利に酔った混沌の中を駆け抜けて、空白の――波紋も悲鳴も血反吐も音もかき消えた晴天の最中へ、たまらず飛び上がった。 無我夢中の境地にて。そう気が付いたのは、抱き止めるための糸をやっと紡ぎ終わった瞬間だった。(了)Tap to full screen .Repost is prohibited Let's send reactions! freqpopularsnackothersPayment processing Replies from the creator Follow creator you care about!☆quiet follow masasi9991DONE道タケ漣のキスの話二人ですること 今日のコイツは見るからに機嫌がいい。一体何があったんだ? ……どうせ、些細なことだろう。昼に食った円城寺さんの弁当が、ウマかったからとか。いや、円城寺さんの弁当は大抵ウマいけど、今日は俺とコイツの好きなおかずがたくさん入っていた。 そういうのだけで、あんだけ上機嫌になる単純なヤツ……は普段よりも文句は少な目、騒がしさは上で、円城寺さんの買い物にも付き合って荷物持ちをさせられ、円城寺さんのアパートに着いてからも食材や日用品の収納の手伝いのためにそう広くないアパート内をあちこち行き来していた。円城寺さんの後ろにくつついて。まるで飼い主の背後をちょこちょこと着いて回る犬みたいだ……と見てて思った。 「タケル、漣。午後からずっと家のこと手伝ってくれてありがとうな」 1704 masasi9991DONE膝枕したい道タケ漣デカくてやわらかい「いつも、してもらうばっかだろ」 「あん?」 「お返しにこっちからできねぇかって話だ。……オマエはそんなこと考えねーか」 「らーめん屋がやりてーっつーからやらせてやってるだけだ。オレ様はカンダイだからなァ……その、ヒザマクラっつーやつも」 「そうか」 畳に胡座かいて座ってるチビがオレ様を見下ろしてフッと鼻で笑った。意味わかんねーからムカついてその喧嘩を買ってやろうかと思ったが、メンドクセえ。寝転がったままチビの言ってたことを考える。 ヒザマクラ? ヒザっつーか、太ももをマクラにするやつ。よくらーめん屋がやってる。 らーめん屋の太ももは枕としてはそれなりに悪くない。らーめん屋の暑苦しい体温も寝るのにはちょうどいいし、頭や背中を撫でてくる手がそこにあるのもいい。つまりらーめん屋が勝手にやってりゃいいんだ、そういうのは。 2159 masasi9991DONEおやすみの前の道タケ漣一番いい場所「しまった。あれを忘れてた」 さあ電気を消して寝ようか、という瞬間に急に思い出して布団を出た。タケルが「え」と呟いた。漣は、「ハァ?」だって。二人ほとんど同時に。 あれ、っていうのはあれだ。大した用事じゃない。しかし寝る前に片付けておかないと、明日朝起きてからだと……。ともかく大したことじゃない。布団を出て、台所に立ってやり残したことをすべて片付けた。ものの十分ぐらいだ。それでも罪悪感をたっぷり抱えて、再び寝室に戻った。 だってさっきの二人の一言、寂しそうだったじゃないか。まあ、一言というか一声、たったそれだけだったし、寂しいったって別にドアを挟んですぐそこにいるんだし、そもそも自分の自惚れが大げさに感じさせているというのは大いに否めないが、あの反応がかわいくてたまらなくて。 1347 masasi9991DONEお昼寝する道タケ漣うたたね とん、と寄りかかってきた円城寺さんの重みと熱と、すぐ近くに聞こえる規則正しい寝息。それから心臓の音……は、俺のか、円城寺さんのものか、どっちかわかんねぇ。ドキドキする。それと向こう側で不貞腐れてるヤツの、横顔。 優越感――思わず口元が緩んだ。とはいえ、横目で円城寺さんとソイツを眺めながら、胸ん中に浮かんできたのはそれだけじゃないって気もしてる。 ソイツが子供っぽく尖らせた唇の、薄いピンク色に少しだけ見とれた。 「静かにしてろよ」 小声で呟く。が、思ったより自分の声が部屋ん中響いた気がして、慌てて円城寺さんの顔を覗き込んだ。……大丈夫だ、起こしちゃいねぇ。俺の肩を枕にして、円城寺さんはすっかり眠ったままだ。 1366 masasi9991DONE寒い朝の道タケ漣冬の朝のいたずら 小柄な二人の背中が、ちゃぶ台の前で小さく丸まって座っている。喧嘩は一時中止らしく、寒い寒いと口を揃えて不満を漏らしつつ顔を洗って部屋に戻ってきていた。 二人とも、この間自分が買ってきた青と赤の半纏をそれぞれ羽織ってくれている。分厚くて温かいそれで着ぶくれした後ろ姿はまるでハムスターや兎のような小動物が寄り添っているかに見えて、思わず口元が緩んだ。買ってきたときは二人とも微妙そうな顔をしていたけど、やっぱりよく似合っているし、こんな寒い朝にはぴったりだ。 「洗面所、そんなに寒かったか? まあ飯を食ったら温まるさ」 「洗面所も、この部屋も寒い……」 「らーめん屋、自分の家なのに寒いかどうかもわかんねーのかよ」 1540 masasi9991DONE夜の道タケ漣風景 五 隣でもぞもぞと動く気配がして、目が覚める。まだ、夜中だ。部屋は真っ暗だけど、気配と体温で動いているのはタケルだとわかる。 ふと身体を起こしたタケルは、トイレにでも行くのだろうか……。半ば夢のようにぼんやりとそんなことを考えていると、起き上がったタケルがこっちを向いていることに気がついた。それから、すぐに布団の中へ戻ってきた。さっき起きたときと同じところへ。……と思ったけどどうやら違う。自分が目を覚ましたときより、ぽっと暖かくなった。タケルの体温だ。 一度起き上がったタケルがこちらに寄りかかってきて、頬を自分の胸のあたりに押し当てている。心地いい重さだ。顔を覗き込むと、すっかり眠っているらしかった。うつ伏せ気味の背中も穏やかに上下している。きっとさっき起き上がったときも、寝ぼけていたのだろう。 1280