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    masasi9991

    @masasi9991

    妖怪ウォッチとFLOとRMXとSideMなど
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    masasi9991

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    いちゃいちゃしてる土ガマ

    ##妖怪ウォッチ

    いつもの要件 どうも、眩しい。奴と同じ時間に起きてやらなけりゃ、と思ってどうにか両目を開けてやったが、慣れないことはするもんじゃねえ。また狸寝入り、しちまおうかな。
     ぼんやり開いている目で、土蜘蛛の背中を眺めている。縁側から差し込む朝日がただただ眩しい。土蜘蛛の姿は人型の影としか見えない。おれを放って外ばかり眺めて、一体何を考えているんだか。まだ目を開けたのにも気付かれちゃいないだろう。
     と考えつつ、開けた目を閉じるのも面倒だ。
    「大ガマよ、起きておるのだろう」
    「おう。てめえのために、珍しく早起きしてやったぜ」
     平然と返事をしてやったが、一体どうしてバレたんだ。こいつ背中に目玉でも付いてんのか? もちろんそうではないことはよく知っている。いくら奴が妖怪であっても。
    「なあ、着物を取ってくれよ。今朝は少し冷えるね。夜の間は、あんたがあたためてくれたから良かったのにさ」
    「もう戻るのか?」
    「ああ、昨晩言っただろ。ちょっとした用事に出るから、暫くあんたのところにゃ来れそうもない。もう少し名残を惜しみたいかい?」
    「今生の別れでもあるまいに。別段珍しくもない」
    「寂しそうな顔をしてるぜ」
    「誰が」
    「わかりきったことを聞くなよ。ここには二人しかいねぇんだ」
     手渡された襦袢を羽織る。その返事もせず渋い顔を眺めつつ。脱がせた着物を拾うために、こっちを向いて渡すために、いささか勿体ぶって時間を掛けた奴の顔、いつもの顰めっ面にいじけたような切なさが浮かんでいる。顰めっ面はそうとは認めねえが、おれに言わせりゃお見通しというわけだ。
    「今生の別れじゃないが、暫くの別れだ。言うことやること、なんかあるだろ」
    「……いいや、別に」
    「なんだ、意地っ張りめ」
     いつもの着物を羽織るのにそう時間もかからない。むっつり黙っている土蜘蛛の野郎が喋り出すよりもずっと早い。つまりそれ以上の返事がないままに、おれは着替えも終わって寝床から出ようと立ち上がった。
     さて引き止める気が少しは湧いたか、奴はほんの少し息を飲む。結局何も言わない。どうせそんなところだと判っていたから、おれは立ちしなに寝床を出るでなく土蜘蛛の方へ膝を寄せた。
    「おい」
     抱きついてやろうかと思ったがちょっと届かない。膝を枕に撓垂れ掛る。まだ眠い。無理をして早起きしてやったんだから。
    「おれはまだやることがある」
     結わえた髪をひょいと伸ばして、土蜘蛛の首に絡ませる。少しばかり引き寄せる。
    「何をさせようというのだ?」
    「言わなきゃわかんねぇかな。まだ少し時間はあるんだ」
     膝の上で転がって、奴の顔を見上げて奴には顔を見下させた。これでわかんねぇとは言えねぇだろう。
     見上げた顔は朝日の中で影を落として眩しいが、眉間のシワが緩んでいるのはかすかに見える。おれにはバレてねえと思っているだろう。口元まで、緩んでいる。


    【了】
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