二人でお買い物「これもキミに似合うな」
「そうか?」
振り向いて首を傾げたキミの襟足に、それをそっと添えてみる。ぴょんぴょん跳ねるキミの赤毛に黒のゴムはもちろん深い青のガラス玉もよく似合う。欲を言えばガラスより鉱石の飾りの方がきっとキミには似合うだろう。
「こっちもいい。キミなら……これも。ふふ、選ぶのに時間がかかってすまない。キミには何でも似合うんだ」
「いやいやそれほどでも! むっふっふっふっふ。お買い物は楽しいから仕方がないさ。ところで……」
「あとで晩飯の買い物にも行かないとな。なあ、この焼き芋の飾り、ほんとにキミにぴったりじゃないか?」
「おいしそうだ! それに色もおれの髪にジャストフィットだと!?」
「あっはっはっはっは! これを買ってしまおうか!」
「うんうん。きっとおまえにも似合う……だろうか!? グランツ、ところでもしかしてうっかりしていないかどうかというところなんだが」
「うん?」
「おれには結ぶほどの髪はないぞ? 今日の買い物の主役はお前の髪だ!」
「ふふっ、あっはっはっは! 忘れてた! たしかにそうだった!」
「ふう、まったくもう。おまえも時々うっかりさんだな」
「だってキミにもすごく似合うんだ。こんなのとかさ」
「う、牛さん……。心がひかれる……!」
「あはは。かわいいな、キミ」
「いやかわいいのはこの花崗岩の牛さん……だ!」