刹那の一瞬を君と「水の娘役、フリーナ・ドゥ・フォンテーヌ!!」
司会者の掛け声と共に、熱烈な拍手が会場に響きわたる。観衆からの熱視線に包まれながら、フリーナはカーテンコールのお辞儀をした。
あの日「水の娘」を演じてから、フリーナは再び舞台に返り咲くことを決めた。あの公演を行ったことで、舞台に立つ行為こそがフリーナに生の実感を与えてくれると感じてしまったのだ。
飲まれてしまいそうな孤独や苦痛の記憶も含め、フリーナが持つ様々な感情を舞台の上で発揮することで、今まで許されなかった自己表現を成し得ている。
またフリーナが再び舞台に戻るきっかけとなった「水の娘」も、今では人気演目として数々の劇団で上演するようになった。そして今日もフリーナは主演女優としてオファーを受けエピクレシス歌劇場にいる。
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