あなたと一緒にどこまでもあなたと一緒にどこまでも
外は梅雨らしくじめじめと湿気ていて、日が暮れてすっかり漆黒の世界と化した夜空にも厚い雲が茫洋と漂う。この陰気臭い季節は正直好きではないが、夏野菜が出回り始めて食卓の彩りが鮮やかになるという点だけが唯一及第点だ。一郎はあまり気にしていないようだが、この家の食事担当である俺にとっては割と大事な要素だ。
ということで、今日の夕食はトマトやオクラ、ズッキーニを添えた夏野菜カレー。一郎の口にも合ったようで、一郎は二回もおかわりをしていたにもかかわらず食べ終わるタイミングは俺とほぼ一緒だった。もうちょっと味わって食って欲しい思いはある一方、その食いっぷりを見ていると作りがいがあるというものだ。同棲し始めてからというもの、一郎の腹には以前より若干肉がついた気がするが、そこは黙っておいてやろう。
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