あんたに甘えてぶっかけたい「……は?顔射したい?」
「だって!左馬刻がホワイトデーは何でも欲しいもんやるって言ったから!」
「普通モノだと思うだろ!」
左馬刻はベッドの上でキャンキャン……というよりフーフー威嚇するような猫みたいに俺に噛み付いてくる。しかしながら俺も譲れない。なんてったって左馬刻が何でも欲しいものをくれてやると言っているのだ。もうこんな大サービスは来ないかもしれない。挑発して上手いこと乗せる作戦を採ることにする。
「へぇ、吐いた唾飲むのかよ、左馬刻」
「……は?」
「大人気ねぇなあ、六歳年下の彼氏に前言撤回ってか?」
「……言わせておけばクソ生意気なこと言うじゃねぇか」
「で?大人でカッコイイ左馬刻サンは年下彼氏のお願い聞いてくれるンスか?」
「……いいじゃねぇか、やってんやんよ。暴発すんなよ一郎」
心の中でガッツポーズと拍手喝采を決めると同時に、相変わらず懐に入れた相手に対して甘すぎる左馬刻のチョロさ具合が心配になった。
「……てめぇもうガン勃ちじゃねぇか」
「そりゃそうだろ……」
これから左馬刻にフェラされて、それから顔射できるなんて考えたら扱かなくでも勃起するだろ。俺は左馬刻の眼前に晒した勃起ちんぽを根元からゆっくりと擦り上げて、フェラを促すように左馬刻の口元に近づける。左馬刻はちょっと顔を顰めてちんぽを一瞥すると、あむ、とアイスキャンディーを舐めるように先端を咥えてきた。
「っは、すげぇな、左馬刻、ちんぽ美味い?」
「美味かねぇわ……」
左馬刻の痴態にタラタラと溢れるカウパーをカリ全体に舌で塗し、弾力を愉しむように唇ではむはむと食まれる。美味くないとか言っていたが、ちょっと伏し目がちで両手で勃起した赤黒いちんぽを支えて、ん、ん、とか言いながら奉仕する左馬刻を見ていると、素直じゃないだけで俺の事が好きなんだなって分かる。
年上のこの人の可愛さに目眩がして、またちんぽが太く硬くなった。もしかしたら射精最短記録を更新してしまうかもしれない。
「いちろ、ん、すげ、ビクビクしてる、はえぇよ」
「……あんたほんとに魔性だな」
「あ?ん、何か言ったか?」
「いいから……左馬刻、このまま動かないで、あと、口ちょっと開けてて」
「?」
なんだこの「何言ってんだこいつ」みたいな顔。すげぇぶっ掛けたい。
俺のお強請りに疑問符を浮かべながらも受け入れてくれる左馬刻。そんな左馬刻に今も昔も俺は甘えっぱなしだ。
俺は左馬刻の唇に鈴口を触れさせるようにちんぽを構え、思い切り幹を扱いて左馬刻にぶっ掛ける体勢に入る。
「……ッは、左馬刻、左馬刻」
「ん、いちろ、」
「って、左馬刻、お、い」
口を開けてくれるだけで良かったのに、左馬刻は薄く開いた口から赤い舌を出すと、ちろりと発射直前の俺のちんぽの鈴口を抉るように舐めてきた。左馬刻の大サービスに俺の理性はあえなく霧散する。頭の中にあるのは、この綺麗で愛おしい人の顔面を俺の欲望塗れにしたいという本能だけ。
「ッア、くそ、左馬刻、出すから……ッ!」
「ん、んっ、ア、いち、ろ」
左馬刻が俺の名前を呼んだ瞬間、ちんぽの先から大量の精液が左馬刻の顔面にぶっ掛かる。白い肌にどろっとした俺の精液、そして左馬刻の眼前には射精してもなお硬さを保った赤黒い俺のちんぽ。快感はもちろんのこと、背徳的な征服感が堪らない。
「っ左馬刻、すげ、気持ちよかった」
「ん、一郎、精子、まず……」
左馬刻は俺の精子を不味いと言いながらもどこか恍惚としていて、やっぱり素直じゃないけどそんなところがまた愛おしくて、懲りずに甘えてしまう。
「……左馬刻、何でもしてくれるんだったら、ちんぽも入れてぇ」
《おわり》