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    tktk_1705

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    だいぶ前に書いた妄想文の続き、支部に出そうにも中途半端になってしまったため供養です。

    ※闇司、OD、嘔吐ありです

    ジェットコースターは進み続ける類side

    ふぅー、と背筋を伸ばして時刻を確認する。

    類「おや?まだ20時か…」

    もう一度作業に戻ろうかと思ったが腹の虫が鳴る。小腹が空いてどうやら脳ももう糖分切れだ…僕はなんとなく食品置きスペースにしているところからラムネを取り出そうとするけど手には何も触れない…
    どうやらラムネも尽きたらしい。

    んんー、と少し迷ってパーカーと外履きサンダルを履いて、財布を持ち家を出た。糖分と食料調達とちょっとした気晴らしだ。コンビニがいいかと思ったがまだ21時前で薬局の看板が青白く光っておりなんとなく薬局へと足を運んぶ。
    薬局なんて日用品のおつかい程度でしか行かないから不思議と興味が湧いたのだろう。
    お菓子やパンも売っている事だしそのままルンルンと店内へ入った。

    やはり閉店前なのかあまり人はおらずぐるりと回っていたのは僕と黒いフードの被った人と店員さんのみ…ある程度カゴに食品を入れ好奇心で薬売り場へやってきた。

    最近ニュースでも取り扱われてる若者のオーバードーズ…薬品を過剰摂取して快楽に浸るという浅ましい行為だ。体にも酷い負荷がかかるらしく最悪の場合死に至る…僕も興味がないかと言われれば嘘になる。快楽がどれほどのものなのかは気になるところだ。

    さて、気になると言えばずっと隣にいる僕より少し背が低めの黒いフード男性だ…僕が入店してから風邪薬コーナーから動かない…

    買う薬が分からなくなったのか?それとも自身の症状に合うものが分からないから悩んでいるのか…と見つめていると後ろポケットからフェニランのストラップとネームプレートが見えていた。

    類(ふふ、元職場だけどもなんとも嬉しい気持ちになるね)

    ちらりと揺れるストラップを見ているとそこには"つ"か"さ"と書かれていた…もしかしてと思って下の薬を取るふりをして顔を覗き込むと目立つグラデーションの髪の毛が見えた

    類「司くんじゃないか!奇遇だね」

    司「えっ、あ…?!類か!!」

    類「どうしたんだい?まさかさ「類!ちょうどいい所に来てくれた!!この薬買ってくれないか!」

    会えたのは嬉しかったけど僕の言葉を遮ったことに少しムスッとする。

    類「おや?どうしてだい?」

    司「あぁ、この薬1人様ひとつなんだ!」

    類「?…薬は1箱で十分だろう?咲希くんが風邪でもひいたのかい?」

    司「咲希ではない全部オレが使うんだ」

    類「…体調が悪いのかい?」

    司「いや、…まあ類ならいいか。最近薬の過剰摂取にハマっていてな!役作りの際に使っているんだ!色々試した上でこれが1番合うのだが…もう1箱では足りなくて」

    はは、と少し照れくさそうに言う司くん。

    類「それオーバードーズじゃないかい?…大丈夫なのかい?」

    司「おーばー、?とかは知らんが…まあいいお金は渡すから買ってくれないか?」

    類「嫌だね」

    司「な、何故だ?!断る理由はないだろう?あっ、ならラムネもカゴに入ってる分全部オレが出すぞ」

    類「君がやっていることは君自身へすごい負荷をかけている事だ、演出家としてそして1人の友人としてそれを加担する訳には行かない」

    司「……あぁ、わかった。なら大丈夫だ」

    司くんはあっさりとやめてレジへと向かう、まだ話は終わっていない。止めないと行けないと思い彼の腕を引っ張った。
    その際持っていたビニール袋を司くんが落としたのだ…バラバラと中身が落ちていく…

    全て薬だった。

    痛み止め、解熱剤、せきどめ薬…8種類は超えているだろう。司くんはあっ、と小さな声をもらしてせっせと薬を拾いはじめた。

    類「司くん、きみ…

    司「何も言うな、薬を買ってくれないのなら何もオレについて聞くな」

    そう唸るような声で威圧する。

    類「ねぇ、やっぱりやめよう。ほんとにわかっているんだろう?ダメな事だと」

    司「言っただろう?何も聞くな。オレの気持ちなんて何も分からないくせに」

    司くんは結局拾い終わると購入予定だった薬を棚へ戻して走って出ていった。僕は止めても無駄だと思い先程司くんが頼んできた薬を持ちレジへと向かった。

    翌日

    司くんは今日学校を休んだ…体調不良と先生が朝伝えてきて『大丈夫かい?』と朝送ったメッセージは昼休みになっても既読がつかない…煮え切らない感情をどうしようかと屋上へと向かった。
    どうせ誰もいないから派手な実験でもしようかと思ってドアを開いた時、既に先客がいた。

    類「つ、司くん?今日休みなんじゃ…」

    司くんだった。確かに朝体調不良で休んでいると聞いていたのに彼は今屋上のフェンスに寄りかかってぼんやりと景色を眺めている…

    司「……」

    類「なんで、何も言わないんだい?朝から、ずっとここにいたのかい?」

    ねぇ!と座ってフェンスにもたれかかっている肩を揺らした。

    司「あっ、すまん。意識が飛んでいた…誰だ?」

    あぁ、類かと…君はあからさまに嫌な顔する。

    司「で、何をしに来たんだ?」

    類「何って…質問に答えてくれるかい?なぜ君は休みの連絡が入っているのに屋上にいるんだい?」

    司「朝、屋上で"役作り"をしていて授業に出れなさそうだったからここで休んでいただけだ。マシになったら遅刻として行けばいい」

    "役作り"と聞き嫌な予感がして横に目をやると、昨日ビニール袋に入っていた薬箱達と使用済みと表すかのように中身のない銀紙が散らばっていた。

    類「…司くん。君、薬を買ってくれないのなら何もオレについて聞くなと言っていたよね。はい…話してもらうからね」

    意を決して僕は昨日購入した薬を司くんに渡した。司くんは目を丸くしていたがそれは一瞬で笑顔へと変わり

    司「あぁ!いいぞ!」

    と軽く明るくいつものように言った。

    司side

    役作りにオレは困っていた。いくら心情を理解しようともどうしてもオレ自身がそれを邪魔してしまうのだ。例えば落ち込んで何も出来ないような人を見ると何を落ち込んでいる暇がある。出来ることをしろと、足掻けと思ってしまう…それが落とし込むのに弊害になっていた。

    だからオレ自身を上手く消す…消すだと言い方が悪い。飛ばすと言ったところか…
    イメージで言うと幽体離脱のような感じで抜けるような方法を探した、色々と検索しているうちに薬を過剰摂取すると意識を飛ばせるという記事を見た。
    薬…あまり薬にいい印象はない。咲希が薬で苦しんでいたのを知っているからだ、病院時代どれだけ薬を飲むことを嫌がっていた咲希を見たことか…流石にこれは無いなと消したんだがな、結局似たようなのはそれしかなくて最終手段だ。薬を過剰摂取した。

    それはもう皮肉にも上手くいった、頭が空っぽになって役がすんなりと入るんだ。

    司「練習、気がつかなかったか?」

    類「え…?」

    司「まあ、続けよう」

    初めは少し飛ぶ程だったんだ、だけどもだんだんとな耐性が着くようになってそれに伴って薬が抜けたあと酷い演技になるんだ。本来ならここで辞めるべきだったんだと今でも思っているが後悔はしていない。
    もう演技をする時以外でも薬が欲しくて堪らなくなるんだ、我慢が出来ない、歯止めが効かない、気がつけば薬を飲んでいる状態。

    いまや薬を飲んで演技して日々を過ごすのがやっとだった。

    司「ありがとうな、類…"この量"だけじゃもう足りなくなってきていたんだ」

    ペリペリと薬を開封していき、咳止め薬と書かれた文字を見て胸が高鳴った気がした。
    類は何も言わない、複雑な顔をしてそれが怒りなのか失望なのか薬でバカになった頭に考える余裕はなく(薬、薬…薬!)と完全な中毒者として相応しい脳内だった。

    糖衣錠のため苦さを心配する必要はなくジャラジャラと数える暇もなく口内へ流していく…だけど違和感があった。糖衣錠にしては甘すぎる、まるでラムネ菓子だ…

    司「おい、類……これ薬じゃないだろう?」

    類「そうだよ、言っただろう僕はその行為には加担しない…だまして悪いけど中身はラムネだよ」

    むしゃくしゃする、薬だと思っていたのが違った。それだけでも嫌だと言うのに類に騙されたという事実が何より頭にきた。

    司「なんで、なんで…」

    類「これを機会にやめてくれないかい、薬は体を壊す…君はスターになるんじゃないのかい?」

    うるさいうるさいうるさい、あぁ…類の声だけじゃないオレの声もうるさい!頭が薬のせいでごちゃごちゃだ…別に薬を飲んでてもスターになれるだろうが!何がそんなに嫌なんだ?責めないで、見ないでくれ、きっと嫌いになったんだ、だからこんなことをするんだ!

    最悪だ…薬によるハイが終わって次はただただ思考もテンションも全てが堕ちていく。このタイミングで重なるなんて…ジェットコースターのような感覚で自分ではコントロールをすることが出来ないただただ身を任せていくだけだ。

    類「司くん…大丈夫かい?保健室にいこう」

    類の声が嫌に大きく聞こえる、言っている内容は優しいのに責められているようだ。
    物音全てが敵のように感じて、中庭にいる女子生徒の声、1階下の廊下から聞こえてくる教師の声…別の自分が己に問いかける声。
    体も息をするのも瞬きするのも考えるのですら苦痛で早く楽になりたい…

    嗚呼、今すぐにでも死んでしまいたい…


    類side

    司くんが途端に黙りだした…一点を見つめて動かなくなった。何かを見つめていると言うには焦点が合っておらず薬による副作用か…考えられたのはそれだけだ。

    心配で保健室かトイレにでも連れていこうと腕を引いていこうとするが呼吸、脈がだんだんと早まっていく…ただ事ではなく動かすことを諦めて彼の背中をさすった。
    薬を吐き出させる為に嘔吐するように促すためだ…10秒もせず彼の口からびちゃびちゃと胃液と錠剤が吐き出された。

    周りの空箱を見るに飲んだ数は50錠近く、体は悲鳴をあげていたのだろう…それをきっかけにか司くんはまた動き始めた。
    吐いたのはいいが薬は回っているためまだ呼吸が浅く、ひっ、ひっと胸を抑えて苦しそうだ…

    僕は最終手段である、スマホからひとつの楽曲を再生した。
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